エクステンションセンター

研究テーマ

薬剤師を対象とした生涯研修の企画・運営を行うと共に、受講者を対象としたアンケート調査を基に、受講者の属性の推移や研修に対する満足度等を解析し、今後の薬剤師の在り方を見据えたより良い生涯研修を展開するための具体的な方策について研究しています。また、在宅医療に関わる薬剤師に必要な研修プログラム、薬局における健康サポート活動、健康食品の適正使用および生活習慣と骨密度、最終糖化産物濃度等の健康度測定結果との関連性についても研究を進めています。

スタッフ

鎌尾 まや

鎌尾 まや 講師

担当科目:臨床栄養学、健康食品、実践薬学、実務実習事前教育、総合文化演習
学位:博士(工学)、修士(薬学)

研究成果

【原著論文】
2017年度
1. Hirota Y, Nakagawa K, Mimatsu S, Sawada N, Sakaki T, Kubodera N, Kamao M, Tsugawa N,Suhara Y, Okano T
Nongenomic effects of 1α,25-dihydroxyvitamin D3 on cartilage formation deduced from comparisons between Cyp27b1 and Vdr knockout mice.
Biochem. Biophys Res Commun., 483, 359-365, 2017
2. Kamao M, Hirota Y, Suhara Y, Tsugawa N, Nakagawa K, Okano T, Hasegawa H
Determination of Menadione by Liquid Chromatography-Tandem Mass Spectrometry Using Pseudo Multiple Reaction Monitoring.
Anal. Sci., 33, 863-867, 2017

2018年度
1. Hirota Y, Nakagawa K, Isomoto K, Sakaki T, Kubodera N, Kamao M, Osakabe N, Suhara Y, Okano T.
Eldecalcitol is more effective in promoting osteogenesis than alfacalcidol in Cyp27b1-knockout mice.
PLoS One. 13, e0199856, 2018

2020年度
1. Yoshimura H, Hirota Y, Soda S, Okazeri M, Takagi Y, Takeuchi A, Tode C, Kamao M, Osakabe N,Suhara Y.
Study on structure-activity relationship of vitamin K derivatives: Conversion of the naphthoquinone part into another aromatic ring and evaluation of their neuronal differentiation-inducing activity.
Bioorg. Med. Chem. Lett. 30, 127059, 2020

2021年度
1. Tsugawa N, Nishino M, Kuwabara A, Ogasawara H, Kamao M, Kobayashi S, Yamamura J, Higurashi S.
Comparison of vitamin D and 25-hydroxyvitamin D concentrations in human breast milk between 1989 and 2016–2017.
Nutrients. 13, 573, 2021

【講演】
2018年度
1. いきいきと元気に暮らすための骨の健康のお話
 神戸薬科大学第15回健康サポートセミナー(神戸)2018年12月3日
2. 神戸薬科大学における生涯研修支援事業と健康食品領域研修認定薬剤師制度
 生活習慣病予防のための機能性食品開発に関する研究会(大阪)2019年2月22日
3. 健康食品って大丈夫?
 千代が丘つながりの場所~エナガの家~イベント 薬剤師に聞いてみよう!!(神戸)2019年3月26日

2019年度
1. 薬剤師の生涯研修と神戸薬科大学における生涯研修支援事業
 令和元年度 神戸薬科大学同窓会支部生涯研修企画委員夏季研修会(神戸)2019年8月25日
2. 一緒に学ぼう! 健康食品・サプリメントの正しい知識
 神戸薬科大学第20回健康サポートセミナー(神戸)2019年9月2日
3. 薬学における健康食品分野への取り組み ―神戸薬科大学における健康食品領域研修認定薬剤師制度について―
 レギュラトリーサイエンス財団 大阪事業所職員研修会(大阪)2019年10月17日

2020年度
1. シンポジウム 薬学教育への「栄養薬学」の導入とその課題:大学教員、生涯研修担当者の立場から ―より良い薬物治療と健康サポートに貢献するために―
 第5回薬学教育学会大会(東京・WEB)2020年9月13日

2021年度
1. 免疫力に関わるビタミンの話
 がん哲学学校 in 神戸 第36回メディカル・カフェ(神戸・WEB)2021年5月15日

【学会報告】
2017年度
1. 母乳中ビタミンDおよび代謝物濃度の地域・季節感比較ならびに経年的変化の検討
 日本ビタミン学会第69回大会(横浜)2017年6月9日
2. 若年成人女性のVitamin D栄養の年間実態把握と栄養改善を目的とした調査
 日本薬学会第138年会(金沢)2018年3月26日
3. 神戸薬科大学薬剤師生涯研修支援事業であるシンポジウムにおける10年間の受講者調査
 日本薬学会第138年会(金沢)2018年3月28日

2018年度
1. 若齢ラットの血中25-Hydroxyvitamin D3濃度に対するvitamin D3および25-hydroxyvitamin D3の補給効果ならびにカルシウム摂取量の影響 
 日本ビタミン学会第70回大会(高槻)2018年6月22日
2. 神戸薬科大学における「健康食品領域研修認定薬剤師制度」に基づく研修プログラム受講者の調査
日本薬学会第139年会(千葉)2019年3月22日

2019年度
1. レチノイン酸の側鎖構造を有する新規ビタミン誘導体の合成
 日本ビタミン学会第71回大会(鳥取)2019年6月8日
2. 磁気ビーズを標識したビタミンK誘導体による結合タンパク質の探索
 日本ビタミン学会第71回大会(鳥取)2019年6月8日
3. ビタミンKに蛍光基NBDを導入した新規蛍光プローブによるSXRの細胞内局在変化
 日本ビタミン学会第71回大会(鳥取)2019年6月8日
4. 血中25-hydroxyvitamin D3濃度に対するカルシウム摂取量の影響ならびにvitamin D3および25-hydroxyvitamin D3の補給効果の検討
 日本ビタミン学会第71回大会(鳥取)2019年6月8日
5.神戸薬科大学における薬剤師を対象とした在宅医療研修プログラムの受講者調査及び学部学生を対象とした多職種連携1日見学実習の試み
 第4回日本薬学教育学会大会(大阪)2019年8月24日
6. Capsaicin によるエネルギー代謝亢進に対する TRP channel およびTMEM タンパク質の役割
 フォーラム2019衛生薬学・環境トキシコロジー(京都)2019年8月31日
7. 母乳中ビタミン Dおよび25-ヒドロキシビタミンD濃度の経年的比較ならびに地域・季節の影響
 第37回日本骨代謝学会学術集会(神戸)2019年10月14日
8. レチノイン酸の側鎖構造を融合した神経分化誘導作用を有する新規ビタミンK誘導体の創製
 日本薬学会第140年会(京都)2020年3月27日
9. 神戸薬科大学における在宅医療に関する薬剤師生涯研修の有用性と問題点評価
 日本薬学会第140年会(京都)2020年3月28日

2020年度
1. レチノイン酸側鎖とのハイブリッド構造を有する新規ビタミンK誘導体の合成と神経分化誘導作用の検討
 日本ビタミン学会第72回大会(名古屋・WEB)2020年9月4-13日 
2.神戸薬科大学における「健康食品領域研修認定薬剤師制度」に基づく研修プログラム受講者に対するアンケート調査 -2018年度および2019年度の比較分析―
 第4回日本薬学教育学会大会(東京・WEB)2020年9月12日
3. 高齢者における血中終末糖化産物(AGEs)濃度と健康関連指標との関連性
 日本薬学会第141年会(広島・WEB)2021年3月27日
4. アゾラト架橋白金(II)二核錯体によるアンドロゲン受容体を介したヒト前立腺がん細胞に対する細胞増殖抑制効果の検討
 日本薬学会第141年会(広島・WEB)2021年3月27日

研究成果の概要

1.神戸薬科大学における「健康食品領域研修認定薬剤師制度」に基づく研修プログラム受講者の調査
神戸薬科大学は公益社団法人薬剤師認定制度認証機構から特定領域認定制度として「健康食品領域研修認定薬剤師制度」の認証を受け、2018年度から本制度による研修プログラムとして「健康食品講座」を実施している。2018年度および2019年度の「健康食品講座」受講者を対象とし、無記名調査票によるアンケートを実施した。両年度共に受講者の年代は50歳代が最も多く、80%以上が女性であった。勤務先は保険薬局・ドラッグストアが最も多く(60~70%程度)、次いで病院・診療所であった。両年度を比較すると、研修認定薬剤師証取得者については約8ポイントの増加がみられた。また、実際に健康食品やサプリメントの利用に関する助言や販売を行っている者は0.7ポイントのわずかな増加がみられた。各講義・演習に対する「健康サポート活動等業務に役立つか」の4段階評価では、最も評価が高い「満足」と回答した者は約11ポイント増加しており、受講者の満足度が向上したと判断された。特に、演習形式で実施している「薬剤師健康食品実践塾」については、「満足」と回答した者は両年度とも約90%に達し、受講者はより能動的な研修を評価する傾向が認められた。以上より、健康食品や栄養の分野についても、症例・実例の検討会や科学論文・データベースの活用法といった、より実践的・能動的な研修を構築する重要性が示唆された。また、今後は研修の質を担保しながら、オンライン等の手法を取り入れることも課題であると考えられる。

2.「在宅医療にかかわる薬剤師研修標準化プログラム」および「在宅医療・薬剤師Frequently Asked Questions(FAQ)」の作成
神戸薬科大学では在宅医療において薬剤師に必要な専門的知識・技能に関する研修を多数実施している。また、2012年より研修会の受講と臨床能力育成のための実践的スキルアッププログラムである医師の在宅患者宅への訪問同行・診察室見学、訪問看護ステーションでの研修等を組み合わせた在宅医療を支援する指導薬剤師養成プログラムを実施している。在宅医療に関する薬剤師研修の有用性および問題点を評価する目的で、研修受講直後および研修受講一定期間経過後(2~12ヶ月時点)におけるアンケート調査を実施した。また、本学が実施する在宅医療を支援する指導薬剤師養成プログラム修了者あるいは在宅医療に関わる薬剤師を対象に、在宅医療に関する薬剤師研修の内容および薬剤師が共通に抱える問題点と解決策について聞き取り調査を実施した。これらの内容を基に「在宅医療にかかわる薬剤師研修標準化プログラム」および「在宅医療・薬剤師Frequently Asked Questions(FAQ)」をまとめた。(詳細はPDFファイルを御覧ください)

3.神戸市在住高齢者を対象とした健康関連指標及び生活習慣とQOL評価に関する研究(学内共同研究)
薬局は地域住民の健康増進に寄与することが求められており、薬局において様々な健康測定が実施される機会が増加している。しかし、各種健康関連指標の相互の関連性や生活習慣、QOL評価との間の関係に関する検討は乏しい。そこで、高齢者を対象として、運動器の機能と関連する握力、踵骨骨密度、開眼片足立ち時間及び比較的簡便に測定可能な数種類の健康関連指標を測定し、それら相互の関連性と生活習慣やQOL評価との関連性を解析する。また、健康関連イベントに参加することによる健康維持及び生活習慣改善効果について検討する。(研究計画の概要はPDFファイルを御覧ください)
まず、非侵襲的に測定可能で、近年健康度測定への利用機会が増加している終末糖化産物(AGEs)について、他の健康関連指標との関連性を検討したところ、血中AGEs濃度と体重、BMI、握力との間に有意な負の相関が認められた。一方、AGEsと踵骨骨密度、血圧、CAVI、ABI及び尿中8-OHdGといった他の指標との間に有意な相関は認められなかった。また、SF-12の8つの下位尺度のうち、社会生活機能のスコアでAGEsとの有意な負の相関が観察された。以上より、血中AGEs濃度は低体重、低BMIを呈する身体的フレイルや筋力低下をきたすサルコペニアと関連する可能性が示唆された。AGEs濃度が高い場合、糖質摂取が過剰にならないように助言する場合が多いが、高齢者の場合には、たんぱく質とエネルギーを十分に補給し、低栄養状態とならないように指導することが重要であると考えられた。

4.健康食品の適正使用における専門職の活用に関する研究(国立健康・栄養研究所との共同研究)
消費者が健康食品を安全に活用するためにはアドバイザリースタッフや健康食品領域研修認定薬剤師制度(特定領域認定制度)といった専門職は重要である。そこで、アドバイザリースタッフ、健康食品領域研修認定薬剤師といった資格保有者が実際にどの程度現場で活動しているのかを調査する。また、消費者におけるAS・認定薬剤師の認知度およびニーズについて調査を行う。さらに、国立健康栄養研究所のデータベースの活用状況について調査するとともに、健康サポート薬局の活用について検討する。
在宅医療研究報告書.pdf
研究概要(健康関連指標と生活習慣・QOL).pdf