医薬共同による創薬・育薬を担う
医療人の育成を目指す神戸大学との連携

「医薬共同による創薬・育薬を担う医療人の育成を通じた私立・国立大学間の連携」を掲げ、2007年、神戸大学と連携協定を締結しました。文部科学省支援プログラムとして2011年まで活動し、現在も、さまざまな取組みを展開、充実させています。神戸大学医学部附属病院薬剤部との連携を図り、学部生向けの協働プログラムや薬剤師指導者としての高度な現場経験と指導力を専門的に学ぶ「薬剤師レジデント」をはじめ、チーム医療実践に向けた最適な学びの環境を整備し、チームでの役割を果たす行動力とリーダーシップを兼ね備えた人材の輩出を目指しています。

神戸薬科大学と神戸大学の連携イメージ図

神戸薬科大学と神戸大学の連携イメージ図

学部

チーム医療教育を推進

  • 1年次「初期体験臨床実習」
  • 5年次「IPW演習」(医学部学生との合同講義)

大学院

単位互換制度の導入
学生の相互受入れ
専門薬剤師養成コースを設置

病院

薬剤師レジデント
薬大教員の医療従事

研究

共同研究の推進

学部での協働体験科目「初期体験臨床実習」「IPW演習」

学部学生が参加する「初期体験臨床実習」「IPW(多職種間協働・Interprofessional Work)演習」は、医師や看護師、理学療法士などを目指す神戸大学医学部の学生と共に医療現場を体験し、相互理解を深めながら、学生の視点で「チーム医療」の考え方を学ぶ、本学ならではの取組みです。

1年次

初期体験臨床実習

1年次生が入学時に抱いている興味、モチベーションの維持と勉学意欲の向上を目的として、実施しています。専攻の異なる両大学学生は、混成チームの一員として相互交流を図り、医療の実践現場のスタッフから学ぶとともに、学びを共有し、今後の学習に対する意欲や主体性を強化します。また、チーム医療の実際を知り、多職種間協働(IPW)の重要性を認識します。

実習内容の例

  • チームビルディング演習
  • スモールグループディスカッション(SGD)
  • 病院医療現場見学(3日間)
  • レポートのまとめ・班別発表会
5年次

IPW演習

IPW演習は、専門領域の異なる学生メンバー間で目標を共有し、ディスカッションを行い、問題解決の過程を体験的に学習します。重要なのは、自己に気付き、他者を尊重し理解しようとする「関心」を持つことです。グループ間の積極的なかかわりから学びや相互理解を深め、チームで協働することの意義を理解することを目指します(演習期間5日間)。

IPW チュートリアル

  • 薬大生(5年次生)、神戸大学医学部医学科・保健学科(4年次生)のグループワーク。複数の職種を目指す学生が一つのシナリオに従い、ケアを考える
  • 症例に対する各職種の立場からの意見をまとめ、シナリオに集約
  • 学生が主体となる能動的参加型授業・問題準拠学習(課題探求型学習)

共同研究

2019年度より、学長裁量経費を用いた神戸大学大学院医学研究科との共同研究を開始しました。
この共同研究は、両大学の独創性・先進性のあるテーマを募集し、両大学の研究をより活性化させていくことを目的として実施するものです。

現在、進行中の研究内容は、下記のとおりです。

免疫細胞及びグリア細胞でみる自閉症の病態生理

参加研究室

  • 神戸薬科大学 薬理学研究室
  • 神戸大学 生理学分野

肝炎及び新型コロナウイルス感染による疾患メカニズムの解析と創薬開発

参加研究室

  • 神戸薬科大学 薬品化学研究室、生命有機化学研究室
  • 神戸大学 感染制御学分野

ストレス・うつ病の病態における脳内の糖鎖とエピゲノム制御の役割(2)

参加研究室

  • 神戸薬科大学 生化学研究室、薬理学研究室
  • 神戸大学 薬理学分野

歯周病原菌による血管内皮細胞のバリア損傷と血栓形成のメカニズム解明

参加研究室

  • 神戸薬科大学 臨床薬学研究室
  • 神戸大学 口腔外科学分野

microRNAを介した小胞体ストレス関連分子SEL1L/HRD1の機能解析とパーキンソン病治療への応用

参加研究室

  • 神戸薬科大学 製剤学研究室
  • 神戸大学 薬剤学分野

シングルセル解析による冠動脈疾患・大動脈瘤の病態解明と新規治療法の開発

参加研究室

  • 神戸薬科大学 医療薬学研究室
  • 神戸大学 循環器内科学分野

研究力育成と並行して高い臨床能力を育む「神戸大学・神戸薬科大学薬剤師レジデント(研究志向型)」

実践的で先端的な臨床能力と高い研究能力を備えた薬剤師を育成するために、大学院生として神戸薬科大学博士課程へ進学しながら、本学の非常勤職員(有期雇用)として採用する新しい制度です。最初の1年間は、従来の制度と同様に神戸大学医学部附属病院において薬剤師レジデントとしての勤務となります。その内容は、調剤、薬品管理、注射剤調剤、院内製剤の調製、抗がん剤ミキシング、医薬品情報、TDM、緩和医療、感染制御、栄養サポート、治験支援など、チーム医療を推進する専門領域別チームに参加し、患者への薬物治療の積極的関与について知識・理解を深めるものです。また、神戸大学医学部学生と神戸薬科大学薬学部学生に指導補助を行うことで、指導力の向上を図ります。

神戸大学医学部附属病院では、薬剤師がキャリアをスタートさせてから通常数年はかかる実務を経験することができます。この勤務中に得た、さまざまな職種の人財との多職種連携協働(IPW)と大学院生としての研究成果が、さらにキャリアを拡げ、チーム医療の現場において薬剤師のリーダーとしての資質を高めるのに役立ちます。

薬剤師レジデント

薬剤師レジデントの一日

薬剤師レジデントの一日
☆:研修会、大学院特論等の受講や聴講、課題研究
  • 月:服薬ミーティング
  • 火:スキルアップセミナー等
  • 水:研究検討会等
  • 木:症例報告会等

2年目以降は研究が中心となり、神戸大学医学部附属病院での勤務は不定期で行います。

制度についてはこちら