• 2026/05/12
  • KPU Research

【プレスリリース】がん細胞の成長を抑制する新機構を発見(微生物化学研究室・生化学研究室・薬品物理化学研究室)

 神戸薬科大学 微生物化学研究室の中山 喜明准教授、小西 守周教授、生化学研究室の北川 裕之教授、薬品物理化学研究室の向 高弘教授、京都大学大学院医学研究科の野中 元裕教授らの研究グループは、分泌タンパク質「ニューデシン(neudesin)*1」が、がん細胞などの細胞表面にあるインスリン様成長因子1型(IGF1)受容体*2の「量」を減少させることで、がん細胞の増殖に関わるシグナル経路を抑制する新たなメカニズムを発見しました。

 骨や筋肉の成長や、がん細胞の成長を促進するIGF1は、細胞表面のIGF1受容体に結合することで細胞内へと情報を伝えます。また、このIGF1受容体には血糖値をコントロールすることでも知られるインスリンも一部結合します。本研究では、小西教授らがこれまでに発見してきた分泌タンパク質ニューデシンが、IGF1受容体に結合することで受容体の細胞表面の存在量を減少させることを見出しました。さらに、ニューデシンがこの受容体が減少させることで、IGF1やインスリンが細胞内へと情報を伝えることができなくなることも分かりました。ニューデシンは元々ヒトの身体でも作られていることから、ニューデシンが健康状態を保つために、過剰な細胞増殖シグナルや代謝刺激を抑制している可能性が考えられます。これらの発見は、がんや糖尿病など、IGF1/インスリンシグナルの異常が関与する疾患に対する新たな治療法の開発へと繋がることが期待されます。

2026年4月25日に国際科学雑誌『The FEBS Journal』にオンライン掲載されました。

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【研究内容】
がん細胞の成長を抑制する新機構を発見
〜分泌タンパク質ニューデシンが細胞増殖に関わる因子の「量」を制御〜

詳しい研究内容は、以下のPDFファイルをご覧ください。
がん細胞の成長を抑制する新機構を発見

【論文情報】
(タイトル)
論文名:Neudesin modulates IGF1 and insulin signaling pathways by regulating the surface expression of IGF1R through a conserved WPE motif
(雑誌名)
The FEBS Journal
(参考)
DOI:https://febs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/febs.70566

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