• 2020/08/04
  • お知らせ

宮田 興子 学長からのメッセージ

在学生、保護者の皆様

コロナ禍の収束が見えない中、学生の皆様にはこれまでと異なる学修形態をお願いしているにもかかわらず、精一杯勉学に励んでいただき、大変ありがたく思っております。神戸薬科大学では、前期を通して、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じながら、「教育水準」を可能な限り落とすことなく提供することを考えて参りました。学生の皆様には、自宅でも充分に学修していただけるよう、また、学修の機会を可能な限り継続させるために、オンライン講義のコンテンツを提供すべく努力して参りました。初めての経験とはいえ、遠隔講義用のコンテンツに満足いただけなかったというご意見があることは承知しておりますが、今後の教育活動を進めていく中でよりよいものを提供できるよう努めて参りますので、この点につきましては、ご容赦いただきたく存じます。

5月末には緊急事態宣言が解除され、大学でのみ実施可能な実習につきまして、6月始めより、感染防止対策を最大限行ったうえで、実施することができました。この間、兵庫県のガイドラインも確認しながら、大学内での対面教育を少しずつ進めて参りました。そのうえで、学生の皆様が学修された成果を公正に評価し、その結果を還元することが大学としての責務であり、特に国家試験も控える薬学部における学びの保証を担保するためには、やはり対面式の試験が欠かせないものと考え、7月27日からの定期試験を実施することと致しました。

しかしながら、試験開始3日目(7月29日)には、兵庫県のガイドラインで「感染拡大期」入りし、本学学生1名が新型コロナウイルスに関する抗原検査の結果、陽性であったという情報が飛び込んで参りました。陽性者の行動履歴を調査した結果、試験を受験された学生の皆様とは動線が異なっておりましたが、学生の皆様の安全を第一に考えて、急遽、8月5日まで学生の皆様の入構を禁止し、併せて、7月30日以降の定期試験を延期(8月27日~)とさせていただきました。

その後、兵庫県の新規感染者数は急増しており、現時点においては、定期試験を8月27日から実施することは困難であると判断し、前期の学修に関する評価方法として対面試験を行うことを断念いたしました。これは大学として苦渋の決断であり、学生の皆様が一生懸命学修なさった成果を例年とは異なる方法で評価することになりますこと本当に申し訳ない気持ちで一杯です。また、定期試験と急激な感染拡大の時期が重なったため、頻繁に予定を変更しなければならず、学生の皆様には大変ご迷惑をおかけしたことと思いますが、これも大学の使命を最大限実行することを志向したためであり、ご理解いただければ幸いです。

今後も、新型コロナウイルスが収まる気配はなく、このウイルスと長く共存していくことを覚悟しなければなりません。後期に向けても、感染予防対策を強化しながら、これからの教育スタイルに課された制約を前向きに受け入れつつ、教育効果の最大化を図りながら、学生の皆様にできる限り大学で学んでいただけるように準備を進めて参ります。

そこで、私の方から学生の皆様にお願いいたします。
学生の皆様の感染予防に対するご自身の努力も大変重要であり、最近の感染者増加の特徴は、「若者」と「夜の街」と言われています。友人達と飲食店や遊興施設に出向くこと、旅行に出かけることは、今しばらくの間、控えていただくようお願いいたします。また、感染確率が高いといわれている場所でのアルバイトも極力避けていただくようお願いいたします。
手指をしっかりと消毒し、マスクを着用することで飛沫を最小限にすることが感染予防対策には有効であるとされています。感染対策として、個人でできることは充分に行っていただき、体調管理にも万全を期されることを改めてお願いいたします。

今、我々が、最優先に考えなければならないことは、学生の皆様の大切な学生生活を守り、教学活動を早期に正常化させることです。そのためには、学生の皆様にも高い社会的自覚と自分の力で社会を守るという強い意識を持っていただくことが重要です。神戸薬科大学の学生としての自覚とプライドを持ち、自らの行動を律するよう強くお願いいたします。我々も精一杯努力して参りますので、皆さん、一緒にこの試練を乗り越えていきましょう。

最後になりますが、感染された学生の一日も早い回復をお祈りしております。

神戸薬科大学 学長 宮田 興子

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