• 2022/03/31
  • 教育・研究

【プレスリリース】心不全の新たな発症・進展メカニズムの発見(臨床薬学研究室)

~コンドロイチン硫酸鎖が心筋細胞を保護することを証明した世界初の成果~

神戸薬科大学 臨床薬学研究室の江本 憲昭 教授、池田 宏二 客員教授らは、糖鎖の一種であるコンドロイチン硫酸鎖が心不全の発症や進展を予防する役割を果たすことを発見しました。

進行した慢性心不全患者の心臓ではコンドロイチン硫酸鎖が多く蓄積し、心不全の更なる増悪に関与することを示した報告はありましたが、心不全発症の急性期におけるコンドロイチン硫酸鎖の役割は明らかとされていませんでした。急性圧負荷時には心臓線維芽細胞でコンドロイチン硫酸鎖の合成が増強され、心臓のコンドロイチン硫酸鎖が増加しました。コンドロイチン硫酸鎖を伸長する酵素であるChGn-2の働きを阻害すると急性圧負荷時に心臓でコンドロイチン硫酸鎖が増加せず、その結果、心不全の発症・進展が増悪することを明らかとしました。

これらの成果をまとめた論文がアメリカ心臓協会の学術誌であるJournal of American Heart Association(JAHA)に日本時間2022年3月24日に掲載されましたので、報告いたします。

【研究内容】
「心不全の新たな発症・進展メカニズムの発見」
~コンドロイチン硫酸鎖が心筋細胞を保護することを証明した世界初の成果~

詳しい研究内容については、以下のPDFファイルをご覧ください。
「心不全の新たな発症・進展メカニズムの発見」

今回の発見は、心不全発症の新しいメカニズムを明らかにした画期的な成果です。将来的には心不全に対して、心臓のコンドロイチン硫酸鎖をターゲットとした新しい診断法や治療法の開発につながることが大いに期待されます。

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【論文情報】
(タイトル)
"ChGn-2 plays a cardioprotective role in heart failure caused by acute pressure overload"

(掲載誌)
Journal of American Heart Association


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