• 2021/06/08
  • 教育・研究

【プレスリリース】がんの栄養飢餓耐性を解除する天然化合物の合成(薬化学研究室)

神戸薬科大学 薬化学研究室の奥田健介教授、高木晃助教、高嶋一平特任助教らは、東南アジアの植物Uvaria dacの葉部より単離され、がん固有の環境を標的とする生物活性化合物として注目される(−)-uvaridacol Lのラセミ体での世界初の全合成を達成しました。
本研究は、安価に入手することができるmyo-イノシトールから低栄養環境選択的な強い毒性を示す天然化合物(−)-uvaridacol Lのラセミ体を7工程にて合成することで、この化合物の創薬の種としての可能性を見出すことに成功しました。また、合成の過程で新たな化学変換反応を開発することで、本研究が多岐にわたる用途へ応用可能であることも併せて見出しました。

【研究内容】
「がんの栄養飢餓耐性を解除する天然化合物の合成」
~がん特有の環境を狙い撃つ医薬の探索~

詳しい研究内容については、以下のPDFファイルをご覧ください。
「がんの栄養飢餓耐性を解除する天然化合物の合成」

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この研究成果は2021年2月17日にアメリカ化学会の有機化学専門誌Organic Lettersへの掲載に先立ちweb上で公開されました。さらに、本研究のイメージ図が研究成果を発表する論文の掲載号(23巻11号)でのfront cover(表紙)に選ばれました。加えて、本論文はThieme出版社のSynfactsにて紹介されました。

【論文情報】
(タイトル)
"Total Synthesis of Antiausterity Agent (±)-Uvaridacol L by Regioselective Axial Diacylation of a myo-Inositol Orthoester"

DOI:10.1021/acs.orglett.1c00079

(掲載誌)
Organic Letters

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