• 2021/01/12
  • 教育・研究

【プレスリリース】環状構造を組み換える新たな分子変換技術の開発(薬品化学研究室)

神戸薬科大学 薬品化学研究室 上田昌史教授、武田紀彦講師、安井基博助教らは、電子豊富な構造単位 (Nu) を導入し、さらに環状構造を組み換える独創的な分子変換技術の開発に成功しました。

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アミドは生体内に広く存在する重要な構造単位ですが、精密有機合成化学が進歩した現在でもなお、アミドの分子変換反応は容易ではありません。

今回は、環状のアミドであるラクタムを出発原料とし、有機金属試薬(Grignard試薬および有機リチウム試薬)を反応させると、有用なピロリジン誘導体が合成できることを明らかにしました。この反応は、ベンゼン環に代表される芳香環が導入できるだけでなく、環の大きさを小さくする「環縮小反応」を組み込んだ独創的なアプローチです。

本成果により、様々なピロリジン誘導体が系統的に合成できるため、医薬品創製だけでなく、農薬や材料科学の開発にも繋がる基盤技術として、今後の更なる発展が期待できます。

本研究成果は、2020年12月3日に、アメリカ化学会の有機化学専門誌Organic Letters誌への掲載に先立ちWEB上で掲載されました。

【研究内容】
「環状構造を組み換える新たな分子変換技術の開発」
~環縮小反応を利用した新たなピロリジン合成法の開発~

詳しい研究内容については、以下のPDFファイルをご覧ください。
環状構造を組み換える新たな分子変換技術の開発

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