博士課程:
臼口 和希
伊藤 謙
潤井 みや
松﨑 大力

博士課程(4年制)

「薬学をはじめとした多様な科学の発展に貢献したい

薬化学講座臼口 和希さん
博士課程4年
※2024年7月掲載
のコメントです。

学ぶほどに魅了される薬学の世界。

大学受験の際には、薬学部にこだわらずいくつかの学部を受験しましたが、薬剤師の資格を取得して将来の選択肢を増やしたいと考え、神戸薬科大学に進学を決めました。このように大学入学当時には、薬学を学ぶことに、それほど強い思い入れがあったわけではありませんでした。しかし日々薬学を深く学び、研究にも取り組んでいく中で、どんどんその魅力に気づき、現在に至ります。

自分が最も楽しいと思える選択を。

学部5年次に実務実習を終えて、研究を再開した際に、「自分が楽しいと思えるものは、研究の道だな」と実感したことが大学院に進んだ一番の決め手です。この先の人生をかけて全うする仕事は、心からやりがいを感じられるものを選択したいので、自分にとって最も魅力的な道を選ぶことにしました。また、「大学院奨学金制度」の存在も、進学への後押しになりました。

新しい活性化合物の創出を目指して。

大学院進学後、「活性をもつ天然物とグルコースの構造の類似性」に注目し、新しい活性化合物の創出を目指して、グルコース誘導体の合成を行いました。そして現在は、その際に得た知見をもとに、「保護を必要としないグルコースの位置選択アシル化反応の開発」に取り組んでいます。グルコースのアシル化は一見簡単そうに見えますが、複数の反応点の中から特定の位置だけを選択的に反応させるにはさまざまな工夫が必要であり、大変ですがとても魅力的な研究です。

自分で選んだ道だからこそ。

今後の進路についてはまだまだ検討中ですが、薬学をはじめとした、さまざまな科学の発展に貢献できるような研究に取り組んでいきたいと考えています。大学院進学は自分で選んだ道であり、現在取り組んでいる研究も自分で選んだ研究テーマです。日々の研究は決して簡単なものではありませんがだからこそ、これからも、楽しく後悔のないように向き合っていきたいです。

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「未知」を解明し、新規治療法の開発へ

医療薬学講座伊藤 謙さん
博士課程2年
※2024年7月掲載
のコメントです。

さらに深く研究に取り組んでいくために。

薬局実習・病院実習で自分が思い描いていた薬剤師像とのギャップを感じ「もっと違う方向で社会に貢献できる人間になれないか?」と考えるようになりました。そんな中、研究室の先生に声をかけていただいたことがきっかけとなり、「研究は面白かったし、さらに本格的に取り組んでみたい」と考え、大学院進学を希望しました。当然、さらに4年間も大学に通う事については、自立したい気持ちとの葛藤に非常に悩みましたが、家族も背中を押してくれたため、この道に進むことを決意しました。

循環器疾患の新規治療法開発につなげる。

「新規治療法や予防法を開発すること」「循環器疾患の発症機序を解明すること」を目的に研究を行っています。具体的には、動脈硬化が形成されたマウスを用いて、「紫外線B波を照射することで動脈硬化を治療できるか」を検討することや、腹部大動脈瘤という血管が無症候性に拡大する病気について、影響を与えている分子や細胞を解明するための研究をしています。

医療分野に大きなインパクトを。

「循環器疾患」の発症機序にはまだ解明されていない部分が多いのですが、人々の死因の2割以上を占めている現状があります。UVB照射療法に関する研究では、この治療法が確立されれば医療費の大幅な削減に寄与できる可能性があり、また腹部大動脈瘤に関する研究は新たな治療標的の発見につながる可能性があります。日々の研究が、医療分野に大きなインパクトを与えるかもしれないと考えると本当にワクワクします。また、私の所属する研究室ではプレゼンテーションやディスカッションの機会が非常に多いため、この研究を成し遂げるための力が日々鍛えられていると実感しています。

将来の大きな希望を抱きながら。

大学院に進学してから、今後やりたいことや目標が増えたため、将来の進路にはとても悩んでいます。博士課程の4年間ではどうしても時間に限りがあるため、卒業後も循環器疾患の詳細な発症機序をさらに突き詰めて明らかにしていきたい気持ちがある一方、日々学んでいる知識や考え方を、他の分野でも応用してみたいという気持ちも強くあります。今後も一日一日を大切にしながら、自分にとってより良い進路選択ができるよう模索していきます。

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世界中の人々の幸福に貢献できる研究者を目指して。

医薬細胞生物学講座潤井 みやさん
博士課程2年
※2021年11月掲載時
のコメントです

学部時代にいだいた研究者への憧れ。

研究者の道に強く憧れを持ったのは学部3年生の頃で、線虫感染症の新しい治療法を発見し、2015年にノーベル賞を受賞された大村智先生の講演会を聴講したときです。微生物から有用化合物を見いだし、開発した薬をアフリカなどの地域に無償で提供しておられる姿に深く感銘を受け、私も大村先生のように研究やさまざまな活動を通して、世界中の病に苦しむ人々に貢献できる研究者になりたいと考えるようになりました。

大学院への進学は誰もが迷うもの。

大学院への進学にはとても悩みました。ただでさえ4年制の人よりも卒業が遅く、また、早く自立したいという想いがあったことから、進学を決断できずにいました。そんなある日、知人から「進学を許される環境があるなら、挑戦した方がいいよ」と言われ、その言葉が背中を押してくれました。そして、人生のうちの4年間と思えば決して長くはなく、このタイミングを逃せばもう選ばない道だろうと思い、進学へと踏み切りました。

合成生物学に大きな希望を見いだして。

植物はさまざまな化合物を生産し、それらの中には医薬品の原料として用いられるものが多数存在します。そこを着眼点に私は、「合成生物学」の研究に取り組み、そのような有用化合物をグルコースなどの入手が容易かつ安価な原料から合成できる微生物を作り出すことをめざしています。今後さらに研究が進み、より多様な有用化合物が効率的に生産できるようになると、SDGsの実現にも大きく貢献できると考えています。

客観的な評価を得ながら着実に成長。

在学中には論文の執筆や学会発表にも積極的に挑戦し、客観的な評価を得ながら着実に成長していきたいです。また将来的には、病気による制限や治療法のない現実に苦しむ子どもたちに希望を与える研究をしたいという想いもあります。そのためにも、博士課程修了後は、大学院で得た基礎研究能力や分子生物学の知見を生かして、治療法が確立されていない疾患に発症するメカニズムの解明や治療法の開発を進めていきたいです。

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研究者として、ひとつでも多くの新薬を開発していきたい。

薬品化学講座松﨑 大力さん
博士課程3年
※2021年11月掲載時
のコメントです

自らの手で医薬品を創り出すために。

医薬品の開発に携わるには、熱意はもちろんのこと、相応の知識や経験や思考力が求められます。また、開発の舞台では薬学部出身の研究者だけでなく、他学部の大学院を修了した研究者ともディスカッションをしなければなりません。将来、研究者として自ら医薬品を開発するためにも、薬に関する専門性をさらに高め、そしてまた、さまざまな分野の研究者たちと協働できる力を身につけたいと考え、博士課程に進みました。

これまでになかった革新的な発見を。

現在、薬品化学講座で窒素元素が連続した構造を持つヒドラゾンを用いて、含窒素ヘテロ環を構築する新規合成法の開発を行っています。ヒドラゾンに含まれる炭素元素は正電荷と負電荷を併せ持つという隠れた特性があります。私はその特性を活用して、ピラゾールやトリアゾールを合成する手法を開発しました。また今は、これまでにまったく知られていないスピロ環骨格の新規構築法の開発に取り組んでいます。

リード化合物の可能性に惹かれ。

医薬品の開発にはさまざまな過程がある中で、私は医薬品の品質であるリード化合物の合成こそが、新薬開発のカギになると考えています。そこでそのリード化合物についてより深く学びたいと考え、有機合成を専門とする薬品化学講座へと進みました。また、博士課程の先輩方が所属されていたことも、現研究室を選択した理由のひとつです。先輩方と過ごした日々は、研究者を志すにあたりとても良い刺激になりました。

研究室で過ごした濃密な時間。

大学院に進んでからは、先生方のご指導や研究室での勉強会などを通して、薬に関わる専門性を高められただけではなく、さまざまな人と議論を交わす能力も伸ばすことができたと感じています。私も来年から社会人になります。これからは、それら研究室での学びや経験、先生方や仲間たちと過ごした濃密な時間を十分に生かしながら、研究者としてひとつでも多くの新薬の開発に携わっていきたいと考えています。

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