• 藤岡 広樹

    藤岡 広樹

    博士課程2年(受賞時)
    薬品化学講座
    2021年10月9日付

    受賞:
    第71回日本薬学会関西支部総会・大会 優秀口頭発表賞
    受賞タイトル:無水ヨウ化水素の特性を利用した還元的Fischer インドール合成法の開発

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    tBuIの加熱分解によって生成する無水ヨウ化水素の特性を活かし、反応系中で生成するシクロプロピルヒドラゾンから3位置換インドールの新しい合成法の研究に携わりました。本研究はシクロプロピルヒドラゾンの新しい反応性の開拓につながると期待し、研究に着手しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    反応の収率の向上や、反応機構の証明をすることに非常に苦労しましたが、指導してくださった先生や先輩方の助言を参考に様々な実験を検討した結果、解決の糸口を見つけることができました。結果が出ないことに不安や焦りを感じていた時もありましたが、あきらめず実験や考察を繰り返したことが結果につなげられたと感じています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと。
    博士課程卒業まで約2年と早くも折り返しになりましたが、できるだけ多くの実験をして業績を残せるように努力したいと考えています。また卒業後は研究職として活躍したいと考えているので、あと2年間で有機化学に対する知識をさらに深めていく努力も行っていきたいと考えています。

  • 甘中 健登

    甘中 健登

    博士課程4年(受賞時)
    薬品物理化学講座
    2021年9月30日~10月2日開催

    受賞:
    第80回日本癌学会学術総会JCA若手研究者ポスター賞
    受賞タイトル:生体直交型反応による薬物放出を可能とする抗がん剤内封リポソーム製剤の開発

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    がん治療において、抗がん剤の治療効果を高め、副作用を軽減するために薬物送達システムの開発が盛んに行われています。本研究では、がん選択的に集積し、生体内でも進行すると言われている特異的な有機化学反応を利用した内封薬物の放出制御を可能とするカプセル型ナノ粒子製剤の開発を行い、がんの治療効果の向上を達成しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    ナノ粒子からの薬物の放出制御メカニズムを解明する時に様々な要因が考えられたため、何に着目をすれば良いか分からず調べるところから始めました。見つけた評価法も万能ではなかったため、他分野の先生と共同研究を進めることで幾つかの要因を明らかにすることができました。

    Q3:今後、この経験をどんなことに生かしたいですか?
    本研究を通じて、実験だけでなく、学会発表や論文執筆など様々な経験をし、研究者にとって重要な能力やマインドを学びました。これからも研究活動を通して、未知な生命現象の解明や革新的な医薬品の創製につながるように、より一層努力していきたいと思います。

  • 藤田 空良

    藤田 空良

    6年(受賞時)
    薬品化学研究室
    2021年10月9日付

    受賞:
    第71回日本薬学会関西支部総会・大会 優秀ポスター発表賞
    受賞タイトル:オキシムエーテルのα位での極性転換を利用したN-アルコキシインドールの合成

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    極性転換は化合物本来の電子的性質を逆転させることであり、本手法を利用すれば従来法では合成困難な化合物の合成が期待できます。一般的にオキシムエーテルのα位は負電荷が発生しやすいのですが、本研究ではその逆の正電荷を意図的に発生させ、その積極的利用に取り組みました。その結果、期待通りN-アルコキシインドールが合成できることを見出しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    反応条件の検討や原料の合成経路を見出すことに苦労しました。手探りの状態でしたので、様々な反応条件を検討し、得られた全ての結果を先生とのディスカッションで一つ一つ丁寧に考察しました。その結果、最適な反応条件だけでなく原料の合成経路も見出し、新規性の高い実用的な合成法へと繋げることができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今回見出した極性転換手法は数多くの可能性を秘めており、分子設計次第では更なる連続反応へも展開可能であると考えています。また、本研究を通じて新しいものを生み出す難しさを痛感しました。物事を多角的に考える力や失敗から学ぶ姿勢をいつまでも忘れず、今後の研究活動においても真摯に取り組みたいと思います。

  • 田原 奈央子

    田原 奈央子

    6年(受賞時)
    薬品化学研究室
    2021年10月9日付

    受賞:
    第71回日本薬学会関西支部総会・大会 優秀ポスター発表賞
    受賞タイトル:N-アルコキシプロピオル酸アミドの金触媒によるオキシアリール化反応―イソオキサゾロンの新規合成法の開発―

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    イソオキサゾロンの合成は古くから天然物や医薬品に含まれる重要な骨格です。これまでの合成法では多くの工程を要していました。本研究では金触媒を用いたカップリング反応と溶媒の反応性を利用して、単純な構造のN-アルコキシプロピオル酸アミドから、イソオキサゾロンの構築と2つの官能基の導入を一挙に実現する手法を確立しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    反応条件を見出すのに苦労し、多くの時間を費やしました。効率的に行うために、実験工程や作業手順を考えながら取り組みました。その結果、最適な反応条件を確立し、研究を進めることができました。この研究を通して、実験を成功させることの大変さや、計画的に物事に取り組む重要性を改めて学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今回、私の研究を学会で発表する機会を二回頂きました。その発表の質疑応答対策として、先生とディスカッションを重ねることで理解が深まると同時に、自分の理解した事柄を相手に正確に伝える難しさを痛感しました。この経験を活かして、患者さん一人一人に向き合った分かりやすい説明ができる薬剤師を目指して勉強を続けていきます。

  • 小西 恵地

    小西 恵地

    博士課程4年(受賞時)
    薬品化学講座
    2021年6月1日付

    受賞:
    第19回次世代を担う有機化学シンポジウム優秀ディスカッション賞

    Q1:優秀ディスカッション賞とはどのようなものですか?
    学生を対象に、鋭い質疑によりシンポジウムを大いに活性化した人に授与される賞です。「活発な質疑応答のきっかけとなる質の高い質問を行った学生に対し、優秀ディスカッシ ョン賞が授与される」という審査基準のもと、今年は学生からのすべての質問をリストアップし、その中から審査担当者が良いと考える質問を選考する形式で3名の受賞者が選出されました。

    Q2:発信したことやディスカッションを活性化するために気をつけたことはなんですか?
    当たり前のように聞こえるかもしれませんが、良い質問を行うためには相手の話をしっかりと理解する必要があります。そのために、集中して相手の話を聞き、しっかりと自分なりの意見を持って質問しようと心掛けました。また、英語の発表に対しても臆さずに英語で質問できたこともディスカッションの活性化につながったと思います。

    Q3:今後、この経験をどんなことに生活かしたいですか?
    私は博士課程の学生ですが、ディスカッションは研究を行っていくうえで非常に大切なことだと考えています。自分の意見をもち、相手と活発な議論を交わすことで、より深い理解につながり、新たなアイディアを生み出すきっかけとなります。この経験を糧として、より多くの人とディスカッションをすることで科学者として成長していきたいです。

  • 渡邊 理乃

    渡邊 理乃

    6年(受賞時)
    総合教育研究センター

    受賞:
    日本医療薬学会第4回フレッシャーズ・カンファランス優秀発表賞
    受賞タイトル:中学生に対する学年縦断的がん教育の実施およびその教育効果

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    現在がんは2人に1人が罹患する時代であり、国民の生命と健康にとって重要な課題となっています。本センターでは神戸大学附属中等教育学校と連携してがん教育に取り組んでおり、今回は中学1〜3年生までのがん教育実施における教育効果について調査しました。学年縦断的ながん教育の実施により、がんに対する正しい知識が身につき、がん患者に寄り添う姿勢が見られました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    アンケートの自由記述欄に生徒たちの学びや気づきがたくさん記述されていたので、文章化されたデータを統計学的に解析することに苦労しました。しかしテキストデータを図式化することで、生徒たちががん教育で学んだこと、変化したことを知ることができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    がん教育は「がん患者と共に生きる社会作りに寄与する資質や能力の育成を図る教育」と定義されています。がんについて正しい知識だけでなく、がんと向き合う人々に対して寄り添う気持ちを育むことも重要だと感じています。私もこの研究から学んだことを臨床現場で活かし、患者さんの価値観を支えられるような薬剤師を目指したいと思います。

  • 松﨑 大力

    松﨑 大力

    博士課程3年(受賞時)
    薬品化学講座
    2021年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第141年会 学生優秀発表賞(ポスター発表の部)
    受賞タイトル:ヒドラゾンのイミノ炭素の求核性を利用したアルキル基を有する1,2,4-トリアゾール合成法の開発

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    様々な医薬品に含まれるトリアゾール骨格を合成できる新たな方法を開発するために研究を行いました。ヒドラゾンに含まれる炭素原子は正電荷と負電荷を併せもつという隠れた特性があります。本研究では、十分に活用されていなかった負電荷の特性を巧みに用いることで、これまでとは全く異なる方法でトリアゾール骨格を合成することに成功しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    当初は再現性の確保に苦労し、何が悪いのか全くわからない状況でした。そこで、先生方の助言や副生成物の構造を確認することによって、何が問題であるのか明らかにし、どうすれば改善できるかを一つ一つ考えながら研究を行いました。その結果、再現性が高い実用的な反応に仕上げることができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    窒素原子が連続した構造をもつヒドラゾンは合成素子としてまだまだ数多くの可能性を秘めていると考えられます。そのため、まだ見ぬ新たな特性を引き出し、有用化合物の合成法へ展開すること、また従来法では合成できないヘテロ環化合物を簡単な実験操作で効率的に合成できる革新的な方法を開発したいと考えています。

  • 谷垣 拓海

    谷垣 拓海

    5年(受賞時)
    微生物化学研究室
    2021年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第141年会 学生優秀発表賞(ポスター発表の部)
    受賞タイトル:分泌因子 neudesinは樹状細胞の活性を抑制することで、がんの成長を促進する

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    現在、日本人の死因の1位は悪性新生物(腫瘍)であり、様々な治療法が検討されています。その中で、抗がん剤治療の足掛けとなる新たな標的を見出したいと思い研究を進めました。本研究では、がんへの免疫に重要な樹状細胞に対して、neudesinという新たな因子がどのようなメカニズムで働くのか、について検討しています。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    新しいメカニズムの解明ということで、仮説立案からその証明までを日々、繰り返し行いました。研究は失敗の連続で、新しいことを生み出す難しさを痛感しましたが、物事を多角的に見ることの大切さも学ぶことができました。先生方の助言を頂きながらではありますが、今では1歩ずつ研究に貢献出来ていることを実感しています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今後、薬剤師の職能の幅は飛躍的に拡大していくことが予想され、その職能に柔軟に対応できる薬剤師が求められると思います。そのために、薬剤師としての知識を身に付けることはもちろん、研究や学校生活から学んだことを活かして患者さんへ寄り添い、少しでも患者さんの求める薬剤師、社会の必要とする薬剤師像に近づくことが出来るように努力したいと思っています。

  • 梅澤 直子

    梅澤 直子

    6年(受賞時)
    生命分析化学研究室
    2021年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第141年会 学生優秀発表賞(ポスター発表の部)
    受賞タイトル:H鎖 FR1へのアミノ酸挿入による高親和力抗コルチゾールscFvの創製

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    標的抗原に強い親和力を示す抗体は、「分析試薬」として有用です。私の研究室では、コルチゾールに特異的な抗体フラグメント (scFv) の親和力が、そのN末端の6番と7番のアミノ酸 (H鎖 FR1の一部) の間にグルタミンを挿入するだけで25倍も向上することを偶然に発見しました。そこで、この位置に様々なアミノ酸を挿入した分子集団を作製したところ、多数の高親和力変異体を一挙に創製することができました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    研究の過程には、多くの時間と労力が必要なため私一人では困難な作業が含まれていましたが、研究室の友達が総出で手伝ってくれました。自分の実験も残っているのに私のために快く時間を割いてくれたみんなのおかげでこの成果に辿り着けたと思っています。今も感謝の気持ちでいっぱいです。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    抗体の親和力の増強を目的とする変異導入の標的部位としてVH-FR1に注目した研究は、これまで報告されていません。意義の大きな研究に携わることができて幸運と思っています。私は今、薬局薬剤師としての一歩を踏み出したところですが、この貴重な体験を心の支えとして、精進を続ける所存です。

  • 井村 朱里

    井村 朱里

    5年(受賞時)
    生化学研究室
    2020年10月10日付

    受賞:
    第70回日本薬学会関西支部大会 優秀ポスター発表賞
    受賞タイトル:骨格筋内コンドロイチン硫酸鎖の加齢性構造変化とサルコペニア発症との関連

    Q1:研究の概要
    健康寿命の延伸が課題となっている本邦においてサルコペニアの治療や予防が必要だと考えられており、その発症の要因として骨格筋の組織幹細胞であるサテライト細胞の減少や分化再生能の低下が指摘されています。本研究ではサテライト細胞を取り巻く主要な環境構成成分であるコンドロイチン硫酸(CS)鎖の構造が加齢に伴い変化すること、その構造変化が、サテライト細胞を軸とした骨格筋可塑性の低下を招く主要因の一つである可能性を明らかにしました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    コロナ禍の影響で研究を始めるのが遅くなり、頼りにしていた先輩方が研究室にもういないという状態で研究がスタートしたことが1番不安でした。限られた時間のなかでいくつかの実験を効率よく並行するために計画的に実験を行い、かつ確実なデータを得るために手技向上の努力をしました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究を通じて、自分で計画して実行することや、考えながら行動することの大切さや楽しさを感じることができたので、この経験を今後も生かして行けたらなと思います。

  • 井上 陽平

    井上 陽平

    5年(受賞時)
    薬化学研究室
    2020年10月10日付

    受賞:
    第70回日本薬学会関西支部大会 優秀ポスター発表賞
    受賞タイトル:亜鉛触媒反応を応用した細胞内亜鉛イオンの高感度検出プローブの開発

    Q1:研究の概要
    亜鉛は人体の中で鉄に次いで豊富に存在する金属種であり、多様な生命現象(生合成や免疫応答、神経伝達)に関わります。本研究では、従来では検出困難であった微量の亜鉛を検出することを目指しました。生体内に存在する微量の亜鉛を高感度に検出できれば、微量の亜鉛が関わる新たな生体内機能を解明できるかもしれません。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    本化合物の合成は加水分解やΔ2-Δ3の異性化(セフェム骨格)に注意しなくてはならず、最初は有機合成の知識や技術が未熟であったので合成検討に悪戦苦闘しました。しかし、先生の励ましもあり失敗に挫けず研究を続けて来られたと思います。本研究を通して研究の難しさを再認識すると共に、周りの協力に感謝しています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究室に入るまでは患者さんに寄り添った薬剤師になろうという漠然とした目標しかなかったのですが、本研究を行う中で研究職は生命現象の解明を通じて、間接的かもしれませんが多くの患者さんを救うことができる可能性を実感しました。今後は、本研究を応用して亜鉛の関わる生体内機能の解明研究を行い、医療の発展に貢献したいと考えています。

  • 潤井 みや

    潤井 みや

    博士課程1年(受賞時)
    医薬細胞生物学講座
    2020年10月10日付

    受賞:
    第70回日本薬学会関西支部大会 優秀口頭発表賞
    受賞タイトル:アルカロイド生産性ピキア酵母を用いた培地によるアルカロイド生産性の検討

    Q1:研究の概要
    日本で使用される生薬は大半を輸入に依存しているという現実に危機感を覚え、「微生物に有用成分を生産させる」合成生物学に自国生産の希望を見出し、研究に取り組みました。本研究では、アルカロイド生産性を指標に、大腸菌とピキア酵母の共培養系における、物質生産に最適な培地を見出しました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    限られた試薬や時間の中で、何を優先するのかを判断することが難しいと感じました。 高価な試薬が無限に手に入る訳でもないので、それらを考慮して実験の計画やスケールを決定することを学んでいます。もともと計画を立てることが苦手なのですが、先生方の手厚いご指導により、そのコツを学びつつあります。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    大腸菌とピキア酵母の共培養系を確立し、本研究室が有する輸送体の知見などを活かし、輸送工学と合成生物学の融合による高生産系の開発へ発展させたいと考えています。また、論文執筆や学会発表に積極的に挑戦し、客観的な評価を得ながら、着実に成長していきたいと思っています。

  • 田村 大樹

    田村 大樹

    5年(受賞時)
    製剤学研究室
    2019年7月11日付

    受賞:
    第3回日韓若手薬剤学研究者ワークショップトラベルグラントアワード
    受賞タイトル:Transnasal Delivery of a Bioactive Peptide, Oxytocin, to the Brain for the Treatment of Autism Spectrum Disorder

    Q1:研究の概要
    自閉症の薬物治療として、オキシトシンの鼻腔内投与が注目されています。治療には脳内にオキシトシンを送達する必要がありますが、鼻腔内投与後のオキシトシンの脳内移行、体内動態の詳細は明らかになっていません。そこで、オキシトシンの鼻腔から脳への移行機構を検討しました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    研究を始めた当初は、実験手技が未熟で、結果が揃わず、実験をやり直すことが多くありました。また、測定装置の問題で、測定できないことが多く、その都度、実験の過程を見直し、測定装置の微調整を行いました。その甲斐もあり、確実に結果を得ることが可能となりました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    動物実験におけるデータにはバラツキが非常に大きいため、実験の回数を重ね、データの信頼性をより高めたいと考えています。また、脳の部位ごとの薬物分布や、詳しい移行機構について検討したいと考えています。

    ※田村さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2020年5月15日付
    日本薬剤学会永井財団学部学生七つ星薬師奨励賞
    受賞タイトル:「鼻腔内投与により脳内に直接移行した Oxytocin の脳内動態」

  • 阿部 栞里

    阿部 栞里

    5年(受賞時)
    微生物化学研究室
    2019年6月8日付

    受賞:
    日本薬学会 生物系薬学部会 第20回Pharmaco-Hematologyシンポジウム優秀発表賞
    受賞タイトル:分泌型ヘムタンパク質Neudesinによる赤血球代謝調節機構の解析

    Q1:研究の概要
    昨年度、分泌タンパク質Neudesinの遺伝子欠損マウスでは脾臓の異常により赤血球の代謝新生のサイクルが亢進していることを明らかにしました。一方で、脾臓におけるNeudesinの作用機構については未だ不明な点が多いことから、今回私達は、脾臓に多く発現している赤脾髄MΦの貪食過程に着目し、赤血球代謝調節機構の解析を行いました。その結果、Neudesinがマクロファージによる赤血球代謝を調節していることを見出しました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    研究過程では、思わぬ結果も多く、かなり考察に時間がかかりました。また、当時は自身の実験精度や手技に自信が持てず、毎日が不安でした。ですが、教授・先輩方の手厚いご指導や助言を頂くことによって、学会での発表にまで至ることができました。本当に恵まれた環境で実験が行えたことに感謝でいっぱいです。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    未だ、分泌タンパク質Neudesinの機能については解明されていない事柄が多いため、これからも多方面からNeudesinについてアプローチし、今後の更なる発見に繋がることを期待しています。

  • 金山 裕孝

    金山 裕孝

    5年(受賞時)
    製剤学研究室
    2019年7月11日付

    受賞:
    第3回日韓若手薬剤学研究者ワークショップトラベルグラントアワード
    受賞タイトル:Effects of Gastrointestinal Content on Intestinal Absorption of Drugs

    Q1:研究の概要
    現在、医薬品の消化管吸収性の評価は、消化管内環境の変動の影響を除外するために、主に絶食したラットを用いて実施されています。しかし、薬物は食後に服用される場合が多く、消化管内容物の影響を受ける可能性が高いと考えられます。本研究では、消化管吸収に対する消化管内容物影響を簡便に評価できる実験系の構築を目標に、in vitro実験系を用いて検討を行いました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    実験を開始した当初は、消化管内容物による影響のバラツキが大きく、予測が困難でした。実験手技や実験条件を確認し、薬物の特徴をしっかり考えあわせることで、消化管内容物の影響の原因の1つを明らかにすることができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    これまでの実験系は、薬物の生体膜透過性のみを評価できる実験系でした。固体薬物の溶出に対する消化管内容物の影響も含めて評価できるように、3Dプリンターを利用することで、実験系を改良したいと考えています。

  • 堀部 里帆

    堀部 里帆

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育・研究センター
    2019年6月2日付

    受賞:
    第13回日本緩和医療薬学会年会令和元年度一般社団法人日本緩和医療薬学会優秀演題賞
    受賞タイトル:がん教育実施による中学1年生の死生観の変化

    Q1:研究の概要
    現在、国民の二人に一人ががんに罹患することから、がんは国民の生命と健康にとって重要な問題であると考えられ、第3期がん対策推進基本計画において、がん教育の重要性が明記されています。本学薬学臨床教育・研究センターは神戸大学附属中等教育学校と連携して2016年からがん教育に取り組んでおり、その中でもがん教育が生徒の死生観にもたらす影響に注目して調査しました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    授業実施前後のアンケートの数値の変化から「死生観」について考察をするのに苦労しました。自分ががん教育の授業に参加して感じたことや、生徒の感想、先生方からの助言などから少しずつ考えをまとめていくことができました。中学生の意見の中には、私達にはない新しい視点で「がん」をとらえていると感じるものもあり、非常に面白く感じました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    学会に参加して、一番多かった質問が「中学生にとって死生観というテーマは重いのではないか」というものでした。「死」は誰にでも訪れるものであり、考えるのに若すぎるということはないと思います。今回の研究を通して、「死」を考えることで、今あるものへ感謝を感じることができると実感できたので、これからがん教育が広まっていく事でより良い社会に繋がればとても嬉しく思います。

  • 立本 愛

    立本 愛

    6年(受賞時)
    薬理学研究室
    2019年8月31日付

    受賞:
    次世代を担う創薬・医療薬理シンポジウム2019 優秀ポスター発表賞
    受賞タイトル:ミクログリアにおける新規Nrf2-ARE経路活性化物質による炎症性サイトカインの抑制作用とその機序の解析

    Q1:研究の概要
    ミクログリアは中枢神経系の免疫担当細胞であり、その過剰な活性化は神経炎症を引き起こし、神経変性疾患の病態形成に関与すると考えられています。したがって、ミクログリア活性化に伴う炎症の抑制が神経変性疾患の予防および治療の標的として期待されます。今回の研究では、我々が独自に見出した化合物が、ミクログリアの炎症性活性化を抑制することを明らかにし、その機序についても解析を行いました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    作用機序についての研究を進めるなかで、今まで多く報告されてきた機序と異なる結果が出ました。しかし、その結果を基に先生や仲間と共に、文献などを探し研究を進めることで新たな機序の可能性を見つけ、研究の方向性を変えることが出来ました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今回の研究を通して、目の前にある結果から考えられることはたくさんあり、その可能性を検証していくことの大切さを感じました。研究や学会への参加で学んだことを活かし、これから薬剤師として自己研鑽していきたいです。最後になりましたが、今回の受賞においては、薬理学研究室・教授 小山豊先生、講師 泉安彦先生に多大なるご指導をいただき、誠にありがとうございました。

  • 松田 芳明

    松田 芳明

    6年(受賞時)
    製剤学研究室
    2019年7月5日付

    受賞:
    第35回日本DDS学会学術集会優秀演題賞
    受賞タイトル:鼻腔内投与されたOxytocinの脳内移行性

    Q1:研究の概要
    現在、自閉症スペクトラム障害の治療薬として oxytocin (OXT) が注目されています。本研究では、OXTの体内動態と鼻腔内投与後の脳への移行特性を明らかにするために、動物実験を中心に、系統的な検討を行いました。その結果、鼻腔内投与により、OXTを効率よく脳内に送達できることが明らかとなりました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    動物実験はバラツキが多く、再現性が得られないことが多々ありました。丸一日費やした実験の結果が得られないこともありました。その際、限られた時間をいかに使うかが重要と考え、計画的に実験を行ったことが今回の受賞につながったと思っています。また、最後まで研究を進めることができたのは、先生方のアドバイス、友人や後輩の助けがあったからこそと感じています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究で得た技術を生かすことも大事だと思いますが、研究を通じて得た常に考えながら行動するというマインドは知識をより深められたという点で、自分を成長させてくれたと感じています。どのような場面においても、果敢に挑戦する気持ちを忘れずに行動していきたいです。

  • 前川 裕希

    前川 裕希

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育・研究センター
    2019年6月16日付

    受賞:
    日本医療薬学会第3回フレッシャーズ・カンファランス優秀演題発表賞
    受賞タイトル:免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブによる免疫関連有害事象発現予測因子の探索

    Q1:研究の概要
    抗ヒトPD-1モノクローナル抗体であるニボルマブは、高い抗悪性腫瘍効果を有していますが、一方でニボルマブの免疫増強作用に起因する免疫関連有害事象(irAE)の重篤化により、治療の中断や死亡例が報告されています。しかし、臨床現場においてirAEの発現予測因子は未だ確立されていません。そこで今回、病院の電子カルテを用いて非小細胞肺癌患者を対象にirAEの発現予測因子を後方視的に調査しました。その結果として、好中球/リンパ球比および血小板/リンパ球比高値は全身状態を反映し、かつirAEの重症度を含めた発現予測因子であることが示唆されました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    患者背景因子や血液検査データなどの膨大な電子カルテデータの中から、どのデータに着目して抽出すればよいのか、苦慮しました。専門雑誌や論文を多く読み、学校の先生方、病院薬剤部の先生方とディスカッションを繰り返し行うことで研究の方向を定めていきました。研究室の仲間とはお互いに励まし合ったり、助言を受けたり、時には良い刺激をもらうことで、より良い研究活動を行うことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    来春からは、病院薬剤師として勤務することが決まっていますが、チーム医療の一員として薬物治療に携わるとともに、業務の中で生まれるクリニカルクエスチョンを検証・解析することで積極的にエビデンスを構築し、臨床研究を行うことでも患者様に貢献したいです。

  • 図師 まゆ香

    図師 まゆ香

    5年(受賞時)
    微生物化学研究室
    2019年3月21日付

    受賞:
    日本薬学会第139年会 優秀発表賞(ポスター発表の部)
    受賞タイトル:分泌因子Neudesinのがん免疫抑制作用について

    Q1:研究の概要
    分泌タンパク質Neudesinは、免疫組織を含む様々な組織で広く発現しています。所属する研究室においてNeudesinを持たないマウス(ノックアウトマウス)では腫瘍の成長が抑制されることが判明したので、このメカニズムを明らかにする研究を進めました。その結果、Neudesinは、抗原提示細胞と呼ばれるがん免疫のスタートになる細胞によって産生されて、その活性を抑制することで、がん免疫を抑制している可能性が明らかになりました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    研究を始めた当初は、想定していた仮説では説明できない結果が出てしまいました。しかし、その結果をもとに仮説をたてなおし、研究を軌道修正したことで新しい事実が判明しました。うまくいかないときに現状を分析し、真実に辿り着くような研究の面白さを感じました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    Neudesinの研究が発展すれば、新たながん治療法の開発を目指せるのではないかと期待しています。

  • 忍海 邊梨紗

    忍海邊 梨紗

    5年(受賞時)
    医薬品情報学研究室
    2019年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第139年会 優秀発表賞(ポスター発表の部)
    受賞タイトル:PMDA添付文書情報検索サイトにおける糖尿病薬識別コードの登録様式の多様性

    Q1:研究の概要
    私たちは、薬剤師が医薬品の情報を適切に使用しやすい環境整備に関わる研究を行っています。厚生労働省所管の法人PMDAから多くの医薬品情報が提供されています。ここのウェブサイト上で情報整理の仕方に問題があり、薬剤鑑別という業務に活用しづらいことを明らかにし、具体的な改善案を提示しました。

    Q2:研究途上の苦労、工夫した点
    新規に立ち上げた研究であり先輩を頼れず、参考文献もなかなか見つからず、どう研究を進めていくか悩みながら、先生と共に考え、話し合いを続けてきました。途中、調査の対象医薬品を変更することになり、一から調べなおし大変苦労しました。しかし、研究室の仲間の励ましもあり、研究を進めていくことができました。熱心にアドバイス、指導をしていただいた先生、いつも励まし、相談に乗ってくれた仲間に感謝しています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究活動を通して、物事を客観的に、様々な方向から見る力を身につけていくことができました。今後は、臨床現場で活躍する薬剤師を目指していきたいと思っています。この経験を活かして、患者さんの背景を様々な視点から見ることで隠れた病気や要因などを見つけ、より良い薬物治療に繋げていきたいと思います。

  • 包 玲

    包 玲

    6年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2018年11月3日付

    受賞:
    The 10th China-Japan-Korea Symposium on Radiopharmaceutical sciences Best Poster Award
    受賞タイトル:「Development of SPECT/Fluorescence Dual Imaging Probe Based on Polyoxazoline for Detection of Tumors」

    Q1:研究・発表賞の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    核医学診断は高感度かつ定量性に優れ、術前診断として全身スクリーニングが可能です。一方、蛍光イメージングはリアルタイムイメージングを達成でき、術中診断に利用できます。本研究では、がんの核医学・蛍光デュアルイメージング用薬剤の開発を行い、放射線による術前診断と光による術中診断を融合したがんの高精度な診断法の構築を目指しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは
    研究過程では、失敗が続き、長い間思うような結果が出ませんでした。しかし、先生方からの助言を基に少しずつ研究を前へ進めることができました。また、研究室の先輩や同期と励まし合いながら、とても恵まれた環境でモチベーションを維持して研究に打ち込むことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究を通して、困難でもチャレンジし、物事をやり抜く力を鍛えました。また、国際学会に参加させて頂き、多くのことを学び、自分の見識を広めることができました。大学時代の貴重な体験にもなりました。また、より一層自分の語学力を磨いていきたいという意欲が湧きました。今後はMRとして働くことが決まっていて、研究とは違う道に進みますが、医療に貢献できるよう熱意を持って努力していきたいです。

    ※包さんは、以下の受賞を受けています。

    第2回日本核医学会放射性薬品科学研究会、第18回放射性医薬品・画像診断薬研究会における発表要旨が優秀であるとして
    2018年9月8日付
    CJKSRS2018トラベルグラント
    受賞タイトル:
    「ポリオキサゾリンを母体構造とするがんの核医学・蛍光デュアルイメージングプローブの開発」

  • 三木 麻友美

    三木 麻友美

    6年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2018年10月13日付

    受賞:
    第68回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:がんの光熱療法を目的としたコンドロイチン硫酸被覆金ナノロッドの開発

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    ナノ粒子のひとつである金ナノロッドは、特定の光を照射すると発熱する性質を持つことから、その熱を利用したがん治療への応用が期待されています。本研究では、がんへの標的性をもつコンドロイチン硫酸という高分子で被覆した金ナノロッドを作製し、発熱に関する評価やがん細胞に対する傷害性評価を行い、新たながん光熱治療用薬剤としての可能性を示しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは
    どうしても再現性が取れない時や、期待した結果が得られない時は不安でしたが、蓄積してきた結果に固執せず、視点を変えてみることで克服することができました。研究室の仲間は、頭を抱えながらもそれぞれの研究に真剣に取り組んでおり、その中で助け合いました。また、先生方はいつも相談に乗りアドバイスをくださいました。そのような環境で研究を頑張ることができ、本当に幸せでした。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今後は動物レベルでがん治療効果の検証を進めていく予定です。研究室での経験を通して、技術だけではなく、ポジティブでいることの大切さを学びました。春からは企業への就職が決まっており、研究の場や内容は大きく変わりますが、ここで学んだことを生かしながら何に対しても積極的にチャレンジしていきたいです。

  • 石垣 大地

    石垣 大地

    6年(受賞時)
    微生物化学研究室
    2018年8月11日付

    受賞:
    日本薬学会生物系薬学部会 第19回Pharmaco-Hematologyシンポジウム優秀発表賞
    受賞タイトル:「分泌型ヘムタンパク質Neudesinによるマクロファージ調節機構の解析」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    私達の研究室では、以前に我々の研究グループが単離/同定した、機能未知の分泌型ヘムタンパク質であるNeudesinについて研究を進めています。このNeudesinは赤血球を貪食するマクロファージなどに多く発現することが知られており、本研究では、Neudesinがマクロファージによる赤血球代謝を調節していることを見出しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    マウスから採取した細胞を7日間ほど培養し、専用の機器を用いてデータを解析するのですが、なかなか安定したデータを得ることができず、むしろ培養中に細胞が死んでしまうことが何度もありました。しかし、回数を重ねるにつれて研究の手順や正確さを身につけ、他のメンバーと協力して進めていくことで、まとまったデータを出す事ができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    6年次生も後半に差し掛かり、残念ながら研究室生活がもう終わってしまったので、これから研究に関わる事があまりできなくなりますが、後輩にこの研究のデータを引き継ぎ、さらにNeudesinについて新たな発見をして、新たな貧血治療薬の開発につながれば良いなと思っています。 

  • 久徳 穂香

    久徳 穂香

    5年(受賞時)
    薬化学研究室
    2017年12月17日付

    受賞:
    一般社団法人日本マーチングバンド協会主催「第45回マーチングバンド全国大会」一般の部・大編成・2位、金賞

    Q1:大会・受賞の概要
    「マーチング」とは、ブラス(管楽器)、ドラム(打楽器)、カラーガード(ダンス)で、演奏しながらフォーメーションをかえて行進するスタイルを指します。私は歴史のある「第45回マーチングバンド全国大会」一般の部・大編成に出場し、一般の部2位、金賞を受賞しました。全国大会はさいたまスーパーアリーナで開催され、都道府県大会、地方大会を経て約4カ月で100団体に絞られる大規模なものです。

    Q2:マーチングバンドとの出会い。受賞までの取り組み
    中学校で何も知らずに入部した吹奏楽部が、マーチングで全国大会出場常連校だったことが始まりです。現在は150人以上を擁する愛知県の伝統のあるバンド「天理教愛町分教会吹奏楽団」に属しています。私は週末だけ現地の練習に参加し、他の地元のメンバーと限られた時間内でアンサンブルを磨きました。在学中に全国大会で優勝し、アメリカでの世界大会にも参加し世界一という貴重な経験を得ています。6年次生の現在は、薬剤師国家試験の準備のため休部していますが、私の学生生活とマーチングは切っても切れない深い関係です。

    Q3:今後挑戦していきたいこと、発展させたいと思うこと
    大学入学時には勉強との両立に自信が持てず、マーチングを辞めようと何回も考えました。他のメンバーは、その度に練習方法を工夫し、私を励ましてくれました。仲間と協力することの大切さを実感しています。マーチングがあったからこそ勉強を頑張ろうと思い、結果として6年次生までストレートで進学できました。 大学を卒業し、MRとして働くことが決まっています。この経験を生かして、何事も諦めず、たくさんの新しいことにチャレンジしていきたいと思います。

  • 二木 恵里佳

    二木 恵里佳

    博士課程3年(受賞時)
    薬品化学講座
    2018年5月19日付

    受賞:
    日本薬学会化学系薬学部会主催 第16回次世代を担う有機化学シンポジウム 優秀ディスカッション賞

    Q1:優秀ディスカッション賞とはどのようなものですか
    次世代を担う有機合成シンポジウムは、「若手研究者が口頭発表やディスカッションをする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッジしよう」と主旨で発足したシンポジウムで、学会では珍しい"優秀ディスカッション賞"というものがあります。これは発表者を唸らせる質問や核心を突いた研究討議を行った学生に対し授与される賞です。

    Q2:発信したことやディスカッションを活性化するために気をつけたことはなんですか
    どの分野にも当てはまると思いますが、有機化学にも様々な分野があります。学会に参加するメリットとして、様々な分野の専門家がディスカッションすることで、一つのことを多角的に見ることができる点です。私もディスカッションに参加する際は、今までの経験を生かしたような質問をするようにしています。

    Q3:今後、この経験をどんなことに生かしたいですか
    今回は質問者としてディスカッションを活性化することに貢献できたと思います。次は今回の経験を活かし、発表者としていい発表ができるようになるだけでなく、よりよいディスカッションを行えるようになりたいです。

  • 川上 智広

    川上 智広

    6年(受賞時)
    薬品化学研究室
    2017年10月14日付

    受賞:
    第67回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「ケトン類のα-アルコキシ化反応の開発」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    当研究室ではこれまで、N-アルコキシエナミン類の極性転換反応を利用し、ケトンのα位に芳香環やアルケニル基を導入することに成功しています。今回私はN-アルコキシエナミンのさらなる有用性を検討するため、さまざまな酸素求核種の導入を試みました。その結果、α位にアルコキシ基が導入されたケトン類が得られることを見出しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    目的の化合物を合成するのに何度も失敗し、実験を行っても結果が出ない時期がありました。先生方からのアドバイスを参考になぜ失敗したのかを考え、条件を検討しました。実験操作についても丁寧に指導して頂きました。その結果、実験は上手く進み目的の化合物の合成に成功しました。研究を通して、あきらめずに努力し続けることの重要性を学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究室では、化学に関する専門的な知識や継続して実験を行う根気強さなど他にも多くのことを学び、人として成長することが出来たと感じています。ここで学んだことを臨床の現場で活かし、患者さんの治療に貢献できる薬剤師として活躍していきたいと思います。

  • 種茂 いずみ

    種茂 いずみ

    6年(受賞時)
    薬品化学研究室
    2017年10月14日付

    受賞:
    第67回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「トリクロロメチルシクロプロパンの還元的ラジカル開環反応による Permethrin の合成」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    医薬品について学ぶ中で、一度は医薬品の合成に挑戦したいと考えていました。以前の研究結果より、トリクロロメチルシクロプロパンの還元的ラジカル開環反応によって、ジクロロビニル基を有する非共役エステルが得られる事が分かっていました。そこで私はこの反応を利用して、疥癬の治療薬であるペルメトリンの合成に挑戦することにしました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    始めに考えていた合成ルートでは、途中の段階で全く上手くいかなくなり苦労しました。しかし先生や先輩とのディスカッションを基に、試行錯誤した結果、ペルメトリンの合成に成功し、大きな達成感を得る事ができました。この経験から、失敗しても諦めない事の大切さを学び、問題点に対して常に解決しようとする向上心を身に付けました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究を通じて、有機化学の知識や、物事を多角的に見る視野、問題に対する打開方法などを養いました。学んだ事を活かし、薬剤師としてより良い服薬指導の実践やチーム医療に貢献できるよう努力し続けます。

  • 浅田 聖士

    浅田 聖士

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育センター

    受賞:
    2017年度VMStudio & TMStudio 学生研究奨励賞(佳作)NTTデータ数理システム主催
    受賞タイトル:「中学1年生を対象としたがん教育の実施と生徒の意識調査」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    近年、日本人の約2人に1人ががんに罹患するといわれており、健康教育の一環として、子供に対するがん教育を実施することが急務となっています。そこで、中学1年生を対象にがん教育を実施し、アンケートを用いて、生徒の自己成長・意識変化を調査しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    がんに関する知識だけでなく、「健康とは何か?」、「いのちの大切さ」についてなど、授業の前後で生徒の意識がどのように変化したのかを考察するのに苦労しました。先生方から助言をいただき、授業を受けた生徒の人間性の向上を感じ取ることができました。とても意義深い教育の現場に携われたことに感謝しています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究活動を通して、人間性を向上させることの重要性に気付きました。自己の在り方や生き方を考えることで、自分の人生観を確立し、その思考力が違った価値観を受け入れる第一歩につながると思ったからです。今後は、その場に応じた自分の役割を果たすべく、日々努力していきたいと思っています。

  • 前田 知美

    前田 知美

    3年(受賞時)
    2017年12月9日付

    受賞:
    第6回全国学生英語プレゼンテーションコンテスト(トップ50賞)

    Q1:コンテストの概要、そのテーマに取り組んだ理由
    ラグビーワールドカップ2019のキャンプ地を神戸市に誘致するというテーマで約10分間の英語によるプレゼンテーションを行いました。ラグビー伝統国ではない日本で日本のラグビーの競技率を向上させたい、それを神戸から広めていくためにはどうすればいいのか、経済、文化、メディアなどから多面的に考えました。

    Q2:受賞途上の苦労や克服したこと
    沢山出てきたアイデアの中から、限られたプレゼンテーション時間の中で一番伝えたい内容を選ぶのに苦労しました。紙等に経済、レガシーなど大まかな項目を書いていき、アイデアを項目別に振り分けることでそれぞれがどうつながっているのかを視覚化し、思考を整理することで克服しました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今回学んだ思考過程やプレゼンテーションのスキルは研究室での活動や、社会でも非常に役に立つと信じています。今後も様々なコンテスト等に参加することで自分の思いや考えをより明確に英語で伝えられるようにスキルを磨いていきたいです。

  • 衣笠 真由

    衣笠 真由

    6年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2017年10月14日付

    受賞:
    第67回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「がんの核医学診断を目的としたコンドロイチン硫酸被覆自己組織化ナノ粒子の開発」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    がんを早期に診断することは、適切な治療方針を選択し、治療介入する上で非常に重要です。私は、核医学診断法によりがんを早期に診断できる薬剤開発に取り組みました。本研究では、新たなナノ粒子型放射性薬剤を開発し、がん細胞への取り込み量の評価や動物を用いる生体内放射能分布評価を行いました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    ナノ粒子型放射性薬剤の開発から動物実験まで様々な実験を行うことができて楽しかったですが、上手く薬剤を合成できない時や、細胞実験で思うようなデータが得られないことも多々ありました。ですが、先生方だけでなく同期や後輩の助言もありここまで研究を進めることができ、とても感謝しています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今後は臨床現場で活躍する薬剤師になりたいです。研究とは異なる道に進みますが、2年間の研究生活で学んだ、継続力や思考力など基本的なことは現場でも絶対に役立つと思います。この経験を活かせるように頑張ります。

  • 高橋 勝史

    高橋 勝史

    5年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2017年10月14日付

    受賞:
    第67回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「熱応答凝集性ポリマーを母体とする新規内用放射線治療薬剤の腫瘍集積性評価」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    放射性薬剤を用いるがん治療において、薬剤をがん組織のみに高く集積させることは効率的かつ副作用の少ない治療を行うためにとても重要です。私は、熱によって固まる性質を持つ薬剤に注目し、がん組織をあらかじめ加温することで、投与された薬剤をがん組織に高く集積させることに成功し、熱と放射線を用いる新しいがん治療法の可能性を示しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    既存の実験系では、がん組織内の薬物分布を正確に観察することができませんでした。先生とアイデアを出し合って新しい観察システムを構築し、満足な結果を得ることができました。多くの支えがあって今回の受賞につながったと感じています。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    薬剤のがんへの高い集積性が示されたことから、今後は治療効果を評価していきたいと考えています。ヒトに使えるようにするには様々な課題が出てくると思いますが、自分の研究がそれを解決する助けになるよう努力したいと思います。

  • 天野 郁子

    天野 郁子

    6年(受賞時)
    医薬細胞生物学研究室
    2017年10月14日付

    受賞:
    第67回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「芳香族化合物の生産細胞における輸送体発現解析」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    「代謝と輸送を繋ぐ基礎的知見」の蓄積に貢献したいと、研究に取り組みました。植物は形態的・代謝的分化により二次代謝産物の生産能を獲得することが知られています。本研究では、シキミ酸代謝を介して芳香族化合物を生産する植物細胞において、輸送体と代謝の関係性を提示することができました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    日々研究に取り組むことで、結果を出す大切さと楽しさを学ぶことができました。発表においては、複数のトランスポーターと発現の特徴を端的に伝えることが難しかったです。先生方からの助言により、伝えるポイントの絞り込みや、ポスターの魅せ方を学ぶことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    卒業研究を通して得た、科学的視点、科学情報の取り扱い方、発信力にさらに磨きをかけていきたいと思います。さらに、臨床からの視点、研究からの視点の両方を常に意識しつつ、患者さんや一般の方々に医療・科学の情報提供をできる人になっていきたいと思います。

  • 朴 聡美

    朴 聡美

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育センター
    2017年6月25日付

    受賞:
    日本医療薬学会第1回フレッシャーズ・カンファランス優秀賞
    受賞タイトル:「フェンタニル経皮吸収型製剤を半面貼付した場合の貼付面積及び残存率について」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    臨床現場では、フェンタニル経皮吸収型製剤の最小規格よりも少ない量が必要とされる際、半面貼付という方法がとられる場合があります。しかし、貼付方法が統一されていないため貼付者によって貼付面積にばらつきが出てしまい、患者の経皮吸収、さらには疼痛コントロールに影響を与えている可能性があると考え、本研究を行いました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    数ある数値データの中から、どのデータを比較すればより説得力のある結果につながっていくのかを見極めるのに苦労しました。頭を抱えるだけの日もありましたが、先生の助言のおかげで、多くの方から興味を持っていただける内容となり、また学会では、臨床現場での実情もたくさん教えていただくことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    学会では、最小規格の半量を製品化してほしい方、これ以上規格が増えるのはミスにつながるため半面貼付法の統一を徹底するほうがいいと考える方など、現場の声をたくさんいただきました。今後は、薬剤師として実際に臨床現場に立った目線から本研究を見直し、より正確な半面貼付法の普及にも努めていきたいと考えています。

  • 難波 佳美

    難波 佳美

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育センター

    受賞:
    2016年度 VMStudio & TMStudio 学生研究奨励賞(佳作)
    受賞タイトル:「がん哲学外来メディカル・カフェ参加者の意識調査」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    がんは現在、日本人の約2人に1人が罹患して身近な疾患になってきていますが、医療現場では精神的苦痛まで軽減させることができないのが現状です。メディカル・カフェは垣根を越えたさまざまな方との対話をして寄り添う場であるため、メディカル・カフェを通じて参加者は何を感じ、どのような気持ちの変化が起こるのかアンケート調査しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    今まで「死」という言葉を真剣に考えたことがなかったので、実際にメディカル・カフェに参加して、参加者とどのように関われば良いか分からず悩むこともありましたが、先生方の助言やメディカル・カフェ参加者の話から「普通に接する」ことの難しさや大切さを学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    本研究では生きることの意味を考える機会や生きることの大切さを考えることができたので、学んだことを今後は薬剤師として活かしたいと考えています。また「メディカル・カフェ」がもっと発展していくように何らかの形で関わっていきたいです。

  • 三松 舞

    三松 舞

    5年(受賞時)
    生化学研究室
    2016年10月15日付

    受賞:
    第66回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「コンドロイチン硫酸の硫酸化異常が脳神経系に与える影響」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    コンドロイチン硫酸は脳の発達に重要だと言われており、また精神疾患の発症する原因の一つとして、幼少期の脳・神経系の発育不全が考えられています。よって、コンドロイチン硫酸と、精神疾患発症原因との関連に着目して研究を行いました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    実験動物を扱うことが多かったため慣れない動物実験に苦労しましたが、先生方の助言もあり、慣れない作業も繰り返し行うことによって、だんだんと上達してきて、有用な結果を得ることができました。あきらめず、何度も挑戦する大切さを学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    将来は臨床現場で活躍する薬剤師を目指しています。これまで研究室で学んできた、継続力や,臨機応変に対応する力、また、得られたデータから考える考察力などを生かして、これからの目標に向かって取組んでいきたいと思います。

  • 山内 健生

    山内 健生

    6年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2016年10月15日付

    受賞:
    第66 回日本薬学会近畿支部大会優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「全身性アミロイドーシス診断を目指した放射性ヨウ素標識化合物の体内動態評価 」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    全身性アミロイドーシスはタンパク質が線維化し臓器に沈着する疾患です。この疾患を早期に核医学画像診断することで、早期治療や予後の改善につながるのではないかという思いからこの研究に取組みました。本研究では、合成した放射性ヨウ素標識プローブがアミロイド線維に特異的に結合し、病変部位を非侵襲的に画像化できる可能性を、病態モデル実験により明らかとしました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    放射性ヨウ素による標識反応があまりうまく進まずに苦労しましたが、何がいけなかったのか、次はどのように条件を変えるべきかを先生からの助言を基に考えて試行錯誤することで、標識プローブの合成に成功しました。このことから、失敗を次に活かすことの大切さを学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    今回の研究で用いた放射性ヨウ素標識プローブの化学構造を基に、より選択的にアミロイド線維沈着部位へ集積するプローブへ改良していこうと考えています。この研究が将来の全身性アミロイドーシスの早期診断に役立てれば幸いです。

  • 西田 唯香

    西田 唯香

    博士課程4年(受賞時)
    薬品化学講座
    2016年8月9日付

    受賞:
    第36回有機合成若手セミナー 優秀研究発表賞
    受賞タイトル:「クロロホルムをホスゲン等価体として用いるラクタム化およびカルバモイル化反応の開発」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    一般に溶媒として用いられるクロロホルムが光分解によってホスゲンを発生させることに着目し、ラジカル反応を用いてクロロホルムをカルボニル炭素源および塩素源として用いる反応の開発を目指しました。その結果、多くの医薬品に含まれるラクタム環やアミド結合を容易に構築する手法の開発に成功しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    反応経路の考察に特に苦労しましたが、先生方から貴重なご助言を頂き、コントロール実験や学会でのディスカッションを重ねることで克服しました。その結果、反応経路や反応の利点への理解が深まり、広く展開させることができました。研究室の先生方、先輩、後輩に感謝いたします。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    これまで私は、新規反応の開発を目的として研究を行ってきました。今後は、これまでに見出した反応を生物活性物質や医薬品の合成に展開させたいと考えています。また、これまでに見出した反応の特徴を受け継いだ、新たな反応の開発にも挑戦したいです。

    ※西田さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2016年11月7日付
    第42回反応と合成の進歩シンポジウム 優秀発表賞(ポスター)
    受賞タイトル:「クロロホルムをカルボニル炭素源とするアミノカルボニル化反応の開発」

  • 寳田 徹

    寳田 徹

    博士課程4年(受賞時)
    衛生化学講座
    2016年5月19日付

    受賞:
    日本質量分析学会2016年度トラベルアワード
    受賞タイトル:「質量分析法を利用したエクソン認識を制御するRNA結合蛋白質解析法の構築とその応用」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    RNAスプライシングの異常は種々の疾患に関わることが知られており、多くの患者がその研究開発の発展を待望しています。そこで複雑なスプライシング反応に関わる因子を同定することができれば、治療標的の発見、疾患治療の実現へ繋がると考え、実験系の確立と有用性評価を研究テーマに掲げ、取り組んできました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    これまでに基本的な実験手法のみでは証明が困難な事象であっても、他領域の技術も組み合わせることで明らかにできる例がありました。研究を通して、自分の領域のみにとらわれるのではなく、広い視野で他領域にも目を向けることがいかに重要であるかを学ぶことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    研究の背景には治療を待ち望んでいる患者が多くいて、研究者として自分には何ができるのか。この考えを常に念頭に置いて、これまで学んだ技術や知識を発展させることで患者の疾患治療により貢献できる研究を進めていきたいと考えています。

    ※寳田さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2016年8月24日付
    2016 Journal for Mass Spectrometry Award:21st International Mass Spectrometry Conference
    受賞タイトル:「New strategy for analysis of the splicing regulatory factors using high-resolution mass spectrometry」

  • 橘 由香

    橘 由香

    5年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2016年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第136年会 優秀発表賞(ポスター)
    受賞タイトル:「合成高分子を用いたディスク型脂質ナノ粒子の作製と物性評価」

    Q1:研究の概要
    脂質ナノディスクはリポソームのような薬物送達担体への応用が期待されています。本研究では、アポリポタンパク質の代わりに合成高分子を用いてディスク型脂質ナノ粒子を作製し、物性評価を行いました。この研究によりリポソームとは異なる膜環境を持つ粒子を作製できる可能性があることがわかりました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したこと
    最初は研究内容を難しく感じたため、専門書や論文を読み、先生と討論を重ねることで理解を深めました。実務実習で時間が限られていましたが、毎日朝9時から実験に取組み、約1年間の研究により、期待された結果を得ることができました。

    Q3:今後挑戦していきたいこと
    今後は現場の薬剤師として患者さんの治療に貢献したいと考えています。薬品物理化学研究室での研究を通じて思考力と発信力を培うことができました。薬剤師として働く上でも、日々生じる疑問を解消するために思考力と発信力を生かし、患者さんの治療にかかわっていきたいです。

  • 葛本 杏奈

    葛本 杏奈

    6年(受賞時)
    薬学臨床教育センター

    受賞:
    2015年度 VMStudio & TMStudio 学生研究奨励賞
    受賞タイトル:「有害事象自発報告データベースを用いた非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)起因性小腸障害の指標の探索」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    臨床で活かせる研究がしたいと思い、解熱鎮痛剤として身近な薬である非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の服用者に見られる副作用と検査データの関連性を研究テーマとしました。 小腸粘膜障害は、NSAIDs服用患者の半数以上に認められる重大な副作用です。しかし、その明確な診断基準はなく、客観的で簡便な指標の探索が必要でした。そこで、肝機能との関連に注目して研究を行いました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    膨大な有害事象報告データベースから必要なデータを抽出する作業、また、重複しているデータを除去する作業に苦労しました。指導してくださった先生方の助言を得て求めるデータを抽出することができました。細かな作業でしたが、地道な努力を積み重ね、忍耐強く物事に取り組むことが成果につながることを学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    私は、これから臨床現場で働く薬剤師として、改めて副作用の重要性を認識しました。今後は、患者さんの副作用に早期に対応できるように、この研究から学んだことを活かしたいと思います。研究面では、小腸粘膜障害の早期発見に繋がる臨床応用可能な客観的指標の解明にむけ、研究が継続されることを願っています。

  • 伊藤 勇太

    伊藤 勇太

    博士課程4年(受賞時)
    薬品化学講座
    2015年8月1日付

    受賞:
    第35回有機合成若手セミナー 優秀研究発表賞
    受賞タイトル:「ヨウ化t-ブチルを酸及び還元剤として利用した新規インドール合成法の開発」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    ヨウ化水素はブレンステッド酸および還元剤としての性質を併せ持つ興味深い試薬ですが、あまり有機合成反応に利用されていませんでした。そこで私は、ヨウ化t-ブチルから簡便にヨウ化水素が発生することに着目し、その特性を生かしたインドール合成法の開発に成功しました。また、本手法を用いた医薬品や天然物合成も達成しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    反応機構の解明に苦労しましたが、根気強く過去の論文を調べ、対照実験を行うことで、考察するための重要なデータを得ることができました。また、研究を遂行する上で先生方から貴重なご助言を頂き、賞を頂くことができるほど研究を発展させることができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    私はこれまで「創薬」の出発点ともいえる医薬品候補化合物の創製を目指して研究を進めてきました。今後は、より複雑な化合物を簡便に合成する新たな手法の開発や、太陽光を利用して原料から一挙に医薬品が作れるような環境に優しい有機合成反応の開発に挑戦したいと考えています。

    ※伊藤さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2015年10月27日付
    第41回反応と合成の進歩シンポジウム 優秀発表賞
    受賞タイトル:「ヨウ化水素の特性を利用した共役ヒドラゾンの還元反応の開発とインドール合成への応用」

  • 杉本 理紗

    杉本 理紗

    5年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2015年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第135年会優秀発表賞(ポスター)
    受賞タイトル:「NAD(P)H:quinone oxidoreductase 1 (NQO1) 標的放射性薬剤 ―安定性の向上を目指した電子供与基の導入」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    がんの研究に携わりたいという私の希望があり、このテーマに挑戦しました。多くのがんで発現している酵素を狙った新規がん内放射線治療薬剤の開発を行っています。その際、作製した化合物に電子供与基を入れることで、化合物が安定になることが明らかになりました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    細胞を用いた安定性評価のデータをとる際の条件決定に苦労しましたが、諦めずに条件を何回も変更して行うことや、指導教員からの的確な助言のおかげで条件を決めることができ、有用なデータを得ることができました。このことから簡単に諦めるのではなく、粘り強く取り組むことの大切さを学ぶことができました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    新しい抗がん剤を研究、開発することで、今までよりもより効果的な放射線治療が行えるようになることを期待しています。そのためにもまずは、現在作製している新しい化合物を用いて動物実験を行い、体内分布を評価していこうと考えています。

  • 長谷川 真理子

    長谷川 真理子

    5年(受賞時)
    薬品物理化学研究室
    2015年3月31日付

    受賞:
    日本薬学会第135年会優秀発表賞(ポスター)
    受賞タイトル:「アポE 由来ペプチドを基盤とする脂質ナノディスクの腫瘍細胞への集積性評価」

    Q1:研究の概要、そのテーマに取り組んだ理由
    がんという病気は多くの患者さんを苦しめており、その治療や早期診断に少しでも応用できるような研究をしたいという思いからこの研究に取り組みました。がん細胞に集まるような善玉コレステロールに似た円盤状のナノ粒子を作製することで、今までにない新しい薬物運搬体としての応用を検討しました。

    Q2:研究途上の苦労や克服したことは?
    初めに使用していたナノ粒子の材料となるペプチドではなかなか粒子が作製できず苦しみましたが、先生からの助言や研究室のペプチド自動合成機を用いることで粒子作製が可能なペプチド合成に成功し、研究を更に進めることができました。できないから諦めるのではなく、原因や改善すべき点を考え、それを次の研究へと活かして努力し続けることの大切さを学びました。

    Q3:今後挑戦したいこと、発展させたいと思うこと
    作製したナノ粒子がどのようにしてがん細胞内に取り込まれているのか明確に解明し、また、実験動物への投与によりナノ粒子が体のどこで吸収、分布、代謝、排泄されているのかを明らかにしたいと考えています。この研究により少しでもがん治療、診断への将来の可能性を見出すことができたら幸せです。

  • 志田 美春

    志田 美春

    6年(受賞時)
    生化学研究室
    2013年10月12日付

    受賞:
    第63回 日本薬学会近畿支部総会・大会(生物化学部会)優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「コンドロイチン硫酸による神経突起伸長制御に関する糖鎖受容体の解析」

    「脳の可塑性が制御可能になれば、神経の再生も可能になる」。この夢物語を現実にしたいと研究を進めました。コンドロイチン硫酸は脳の形成と可塑性の制御に重要な役割を果たすことが知られており、本研究では、これらの制御がコンドロイチン硫酸とその受容体分子との相互作用によるものであることを明らかにできました。仮説の証明に悪戦苦闘しましたが、先生方からの的確な助言や、本学のイメージング機器のおかげで、より説得力のあるデータを得ることができ、研究への貢献を実感しています。研究を通して、物事を極める難しさを痛感するとともに、あきらめずに努力し続けることの重要性も学びました。

    ※志田さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2015年6月27日付
    博士課程2年(受賞時)
    生化学講座
    新学術領域研究「神経糖鎖生物学」第9回領域班会議 最優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「高硫酸化コンドロイチン硫酸受容体による神経細胞の極性形成過程の制御機構の解析」

    2015年5月16日付
    第62回日本生化学会近畿支部例会 発表優秀賞
    受賞タイトル:「コンドロイチン硫酸鎖の発現制御による初期軟骨分化過程の制御機構の解析」

    2014年10月17日付
    博士課程1年(受賞時)
    第87回日本生化学会大会 若手優秀発表賞
    受賞タイトル:「コンドロイチン硫酸の発現により制御される軟骨分化過程の解析」

    2014年5月27日付
    新学術領域「神経糖鎖生物学」第7回領域班会議 最優秀ポスター賞
    受賞タイトル:「極性形成過程におけるコンドロイチン硫酸受容体を介した神経突起の伸長制御機構の解析」

    2014年5月17日付
    第61回日本生化学会近畿支部例会 発表優秀賞
    受賞タイトル:「コンドロイチン硫酸受容体を介した神経細胞の極性形成過程の制御機構の解析」

  • 高瀬 ひろか

    高瀬 ひろか

    博士課程2年
    薬品物理化学講座
    2014年9月12日付

    受賞:
    第86回 日本生化学会大会 鈴木紘一メモリアル賞
    受賞タイトル:「生体分子との相互作用を介したヒト血清アミロイドAの構造変化」

    タンパク質「血清アミロイドA( SAA) 」が形成する線維状の凝集体は細胞毒性を有しており、疾患発症の原因となります。この原因物質の詳細が明らかになっていないことから、生体内の現象をモデル化した実験系を立ち上げ、検証することで「AA アミロイドーシス※」の病態の解明につなげたいと、研究テーマに選びました。

    本研究では、タンパク質の構造の解析には「円二色性(CD) 測定」を用い、線維状の凝集体の形成に対する評価には蛍光色素を指標とした「蛍光測定」を用いるなど、物理化学的手法を駆使して解析を行いました。先生方からの多大なる助言や研究室のメンバーの協力のおかげで、研究を遂行でき、また受賞できたのだと心から感謝しています。

    博士課程において、多くのことを学び、研究者としての精神を養うことで、研究を通じて患者さんの疾患の治療に貢献したいと考えています。そのために今後も生体内の生理機能の詳細や疾患の発症機構の解明を目指して研究を続けていきます。

    ※アミロイドA(AA)とよばれるタンパク質が線維化し全身の臓器に沈着する疾患

    ※高瀬さんは、このコメント以降も以下のとおり受賞されています。

    2015年8月21日付
    博士課程4年
    薬品物理化学講座
    第3回日本アミロイドーシス研究会学術集会 学術奨励賞
    受賞タイトル:「SAA-HDLモデル粒子の作製および脂質存在下でのアミロイド線維形成評価」

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