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医療薬学講座 大学院生 
伊藤 謙さんのストーリー
兵庫県 甲南高等学校出身

ボディビルと国家試験の両立が生んだ人間力

「伊藤さんといえばボディビル」そう学内で周知されるほどの存在です。そんな彼が歩んできた研究者としての道に迫ります。

入学前

学び・研究

将来の夢

薬学部は医療の道に進む中で
選択肢が多いと思った。

 ぼんやりと医療の道を志していた中で、一番進路選択の幅が広いと思ったからです。 実際に、薬剤師になることだけでなく製薬企業で働くことや研究者になることも可能であり、入学してから自分がなりたいものを見つけられる分野だと思います。

 一つ上の姉がこの大学に通っており、充実した学生生活を送っているように感じたことも進学を選んだ理由になっています。

 高3の8月まで部活一筋だったので、いかに効率よくするかを考えて勉強していました。特に、この大学の入試問題は、数学については基本的なことを問うものが多かったので、あえて数学はあまり時間をかけず、英語と化学に重点を置いて勉強していました。 次のエピソードを読む

低年次から難解なパズルを
解いていくのが好きだった。

 統計学の授業は、初めて統計の概念を学んだこともあり、新鮮でとても面白かったです。また、かなり難解な算数パズルをひたすら解いていく「数学の情緒」という授業も、正解できた瞬間が快感で、毎回楽しみでした。

 6年生の夏にボディビルコンテストに挑戦しました。食事制限をしながら、試験に向けた勉強と、トレーニングを両立させる毎日はかなり大変でしたが、ステージに立った瞬間は、その苦労を吹き飛ばすくらい最高でした。特に、多くの友人がこの挑戦を応援してくれ、自分は本当に周りに支えられているのだなという事を改めて実感でき、人間的にも大きく成長できた経験となりました。

 研究面では、日ごろの取り組みが実を結び、学部時代から取り組んでいた研究で、日本薬学会第144年会 学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞しました。タイトルは「特定波長の紫外線B波照射療法は動脈硬化モデルマウスにおいて抗炎症性免疫応答の増強により病変形成を抑制する」でした。
 動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの致死的な疾患に繋がることが知られています。この動脈硬化の形成には、慢性的な炎症性免疫反応が関与していることから、免疫抑制作用があり、実際に皮膚疾患領域で臨床応用されている紫外線B波(UVB)に着目して動脈硬化にも応用できるか検討しました。この研究は、血管を直接標的とするのではなく、皮膚からアプローチをするところがユニークで面白いと感じています。既に広域波長(280〜320 nm)のUVBの照射によって、動脈硬化性プラークの形成が抑制されることを報告していましたが、その中でも短波長側の282~284 nm UVBは、少ない線量でより効果的に動脈硬化性プラークの形成を抑制することが本研究で明らかとなりました。

 また、昨年の受賞に引き続き、日本薬学会第145年会学生優秀発表賞(ポスター発表の部)を受賞することが出来ました。受賞タイトルは「284nm UVB照射によるLDL受容体欠損マウスにおける動脈硬化性プラークの安定化」です。
 これまでの研究では、UVBが、動脈硬化が出来ていない状態から動脈硬化が形成されるのを抑制する、すなわち予防効果を持つことを明らかにしました。しかし、既に形成された不安定な動脈硬化性プラークを、破綻しにくいプラークへと安定化させる効果があるかは明らかにされていませんでした。これについて検討したところ、先行研究で最も動脈硬化形成の抑制に効果的であった284 nm UVBが、動脈硬化性プラークの安定化効果も示すことを発見しました。
 研究途中で苦労したことは、この研究のキーとなる、病変部の安定化を評価するためにデータの解析手法を一から確立したことです。解析手法に関わる本を一端から探し、自分が持っているデータにも適用可能かどうかを徹底的に検証しました。

 2年連続での受賞できた要因の一つとして、私が所属する研究室でプレゼンテーションの場が非常に多いことが挙げられます。先生からスライドの作り方やプレゼンテーションのノウハウをしっかりと教わり、それを何回も実践していくうちに、人前でも自信をもって発表できるようになりました。 次のエピソードを読む

製薬企業の研究者として
新薬を開発し
多くの患者さんを救いたい

 将来は、製薬企業の研究者になることを志しています。多くの患者さんを救えるようなインパクトのある新薬の開発に携わりたいと考えています。

 研究としては、動脈硬化の研究に引き続き取り組みたいと思っています。UVBを照射することで、皮膚にどのような変化が生じ、それがどのようにして皮膚から遠い動脈の病変部で作用しているのかについては十分明らかにできていません。今後、この詳細な分子機序を解明することに挑戦していきたいと考えています。

更新日:2025/7/1

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