神戸薬科大学特別教授 小林典裕 「抗体育種」が開く次世代のトレースキャラクタリゼーション
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ご挨拶

 神戸薬科大学特別教授・小林典裕でございます。2002年4月に当学・分析化学研究室の教授として着任し、以来21年の間、同研究室 (2003年に生命分析化学研究室へ改称) を運営してきました。2023年3月をもって退職、同年4月に現職を拝命し、以来、低学年学生の基礎教育に携わっています。
 生命分析化学研究室在籍時は、「生体由来分子認識単位の創製とバイオメディカル分析化学への応用」をメインテーマとして研究に取り組んできました。病原体や異物を排除するために生体が産生する抗体は、「鍵と鍵穴」の精密さで特定の化学構造を認識するため、強力な分析ツールとなります。我々は、免疫学、分子生物学、有機化学の知識と技術を結集して優れた抗体分子を創製し、実用的な分析法を開発してきました。分析対象は、病態の診断に役立つバイオマーカーや乱用が問題となる規制薬物などです。とくに、遺伝子操作を駆使した高性能な「人工抗体」の創出 (我々は「抗体育種」と呼んでいます) と応用に力を注ぎ、独自性の高い分析化学研究の展開を目指してきました。その成果を以下に掲載いたします。ご興味をお持ちいただけましたら幸いに存じます。
 現在は研究の現場を離れておりますが、今後も上記の研究領域の専門家として研鑽を続け、現役一線の研究者やこれから研究に取り組む若手研究者の皆様との討論を楽しみたいと願っております。

略歴

小林 典裕
神戸薬科大学・特別教授、薬学博士
東北大学薬学部卒(1980)、東北大学大学院薬学研究科博士課程修了(1985)。中外製薬綜合研究所研究員、金沢大学薬学部助手、東北大学薬学部助手、東北大学大学院薬学研究科助教授を経て神戸薬科大学教授 (2002)となり、現在に至る。この間に文部省在外研究員としてルンド大学 (スウェーデン) にて抗体の遺伝子工学について研究 (1994~1995)。2014年6月より4年間、生物化学的測定研究会会長を務め、専門書「免疫測定法:基礎から先端まで」(講談社) を編集した。