プロジェクトを構成する研究室

  1. 生化学研究室
  2. 臨床薬学研究室
  3. 薬品化学研究室
  4. 薬品物理化学研究室

生化学研究室

 これまで、グリコサミノグリカンと呼ばれる硫酸化糖鎖を対象に、その構造と生合成機構について調べてきました。これらの研究をベースにして、 現在、糖鎖の担う多彩な機能を明らかにし、その機能不全がどんな病気に関連するかを明らかにしようと考えています。一般的に、タンパク質の機能がフォーカスされがちで、タンパク質に結合して存在する糖鎖は、いまなおタンパク質のアクセサリーのように考えられています。しかし、私たちが現在までに得ている結果だけから考えても、糖鎖は私たちの体を健康に保つために、さまざまな場面で活躍する生体分子である印象をもっています。そして、糖鎖が正常につくられないマウスを用いて病態モデルをつくると、予想以上に多くの表現型が見つかってきています。したがって、糖鎖から病気を考えれば、病気の違った局面が見えたり、新しいタイプのクスリの開発につながるのではないかと思います。このようなアイデアを背景として本プロジェクトが発動しました。本プロジェクトにおける生化学研究室の役割は、病気に関連した糖鎖構造を明らかにし、糖鎖が正常につくれなくなった細胞やマウスを用いて病気との関連を明らかにすることです。また、病気に関連する糖鎖合成酵素遺伝子の発現を調節する化合物のスクリーニングも担当しています。

臨床薬学研究室

 血管内皮細胞損傷・修復機構、血管における脂質沈着とマクロファージ泡沫化機序を解明し、動脈硬化巣を直接のターゲットとした新規治療法の開発を目指した研究を担当しています。特に、糖鎖と糖鎖の合成調節に注目した研究を行っています。最終的にはLDLコレステロールや血圧が高くても、糖尿病が悪くても、リスクファクターのコントロール状態に関係なく、動脈硬化巣に直接作用してプラークの安定化、退縮をきたすことのできる薬剤の開発を目指して研究を進めています。

薬品化学研究室

 有機合成化学を駆使した創薬研究に携わっており、環境にやさしい効率的な有機合成手法の開発に焦点を当てた研究を行うとともに、医薬品創製を指向した新しい生物活性物質の合成研究を行い、生命科学の分野に貢献します。本プロジェクトでは、動脈硬化プラークを初期段階で検出するための新規蛍光標識プローブの合成、糖鎖合成を制御する化合物を探すためのライブラリーの構築を行っています。

薬品物理化学研究室

物理化学的手法を駆使し、生命現象、生体および病態の特性を解明するとともに、得られた情報を基に、診断薬、治療薬の創薬研究を行っています。 プロジェクトでは、SAA アミロイドーシスの発症に関わる糖鎖についての解析、ヘパラナーゼを標的とした放射標識化合物による癌の初期診断薬の開発に取り組んでいます。




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