• 2017/05/26
  • お知らせ

地域連携サテライトセンターを開設いたします。

―2017年9月。JR住吉駅から南に徒歩5分の場所に、地域の医療・健康増進への貢献のための情報発信拠点「神戸薬科大学地域連携サテライトセンター」をオープンします。1932年創立以来、教育と研究の両立を基盤に、高度な薬学の知識を身につけた薬剤師・研究者を養成してきた神戸薬科大学のもう一つの拠点として、この交通至便の立地を生かして地域社会の人々の健康をサポートしてまいります。


完成予想図:実際とは異なる場合があります

完成予想図:実際とは異なる場合があります


○施設概要
【敷地面積】429㎡ 【建築仕様】鉄骨造2階建
【所在地】神戸市東灘区住吉宮町3丁目95番

神戸薬科大学地域連携サテライトセンターについて


2015年に厚生労働省によって「患者のための薬局ビジョン」が示され、薬剤師が地域において活躍すべき分野を明確にする必要性が高まるとともに、その中で薬科大学・薬学部の果たすべき役割が求められています。神戸薬科大学は、「大学の理念」に「地域の医療と環境問題に目を向けて健康の維持・増進にも貢献できる拠点となること」と定めており、率先してその役割を果たしていくことを考えています。そのため、1968年から所有している住吉宮町3丁目の校有地(429㎡)を利活用し、「学校法人神戸薬科大学地域連携サテライトセンター」を建設し、地域連携教育活動の拠点として利用する計画です。これまでの薬学教育に欠けていた地域の中での学生の学修の拠点として利用するとともに、そこで地域住民を対象に展開する健康サポート活動を通じて、地域社会の健康維持・増進に貢献する所存です。神戸薬科大学地域連携サテライトセンターは、神戸市東灘区を中心として、近隣の灘区及び芦屋市を中心とする地域の行政機関、薬剤師会をはじめとする医療関連団体、患者団体、企業並びに近隣の大学との教育、研究、社会貢献に関する連携事業の拠点とし、地域住民の健康の維持・増進及び地域課題に関する学生教育を推進するとともに、生涯研修を担う本学エクステンションセンターと連携し、薬剤師の生涯研修を更に充実することを目的としています。教育研究を目的とした企業との産官学連携活動にも利用したいと考えています。


具体的には、図1に示すように地域住民を対象として、東灘区等の行政や地元の薬剤師会の協力を得て行う健康サポート活動を通じて香粧品(化粧品)学、栄養学、健康食品学、臨床心理学、運動生理学など薬学の周辺領域を担当教員の配置や外部との連携などによって取り込み、薬学の教育研究領域の拡大を図りたく考えています。また、薬剤師の健康サポート活動と連携し、内容を充実したいと考えています。神戸薬科大学では、これまでの薬剤師認定制度認証機構により認証された生涯研修認定制度(G07)(2007年に西日本の薬系大学として最初に認証)に加えて「健康食品領域研修認定薬剤師制度」を薬剤師認定制度認証機構の特定領域認定制度(P)に本年3月に認証申請を行っています。また、健康サポートを神戸薬科大学のブランドとして、科学的裏付けのある健康サポート活動を通じて大学の3つの役割である教育、研究、社会貢献活動を展開したいと考えています。


図1. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンターを介して神戸薬科大学が目指すもの

図1. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンターを介して神戸薬科大学が目指すもの


神戸薬科大学地域連携サテライトセンターは、建物として図2に示す構造を有しています。1階には、メディカル・カフェや小中高生を対象としたサイエンス・スクール、簡便な機器を用いて演習や実験を行うグループ研修室を配置し、50名程度の研修ができます。メディカル・カフェは、がん患者さんや認知症患者さんを対象とし、地域の患者団体、行政、医師会、薬剤師会、NPO法人などの協力を得ながら実施し、患者さんと本学学生との触れ合いの場としても生かしたいと考えています。薬剤師会などによる研修会の場としての利用も考えています。また、このような研修会への学生の参加も考えています。薬剤師と連携した簡単な実験もできるように、基本的な機器も設置したいと考えています。


2階には、最大108名を収容可能な研修室を配置しており、在宅医療に関する生涯研修を実施するほか、東灘区と連携して東灘区民センターでトライアルセミナーとして2016年度3回実施してきました「健康サポートセミナー」や薬剤師の皆さんを対象とした「薬科大学と臨床現場を繋ぐセミナー」を実施する予定です。後者は、薬局薬剤師の協力も仰ぎながら、東灘区民センターで、前者同様、トライアルセミナーを実施中で、2016年度は皮膚に適用する製剤について3月開催分を含めて4回実施しています。当施設で大学教員と連携して行うセミナーや簡単な基礎実験を通じて、大学教員と臨床現場の薬剤師との教育研究での連携を深め、6年制薬学に相応しい臨床現場と密着した教育、研究の展開に結び付けたいと考えています(図3)。また、このようなセミナーや実験に学生が参加し、議論に加わることで、学生の学修に対するモチベーション向上も期待でき、将来の医療を担う有能な人材の輩出に繋げたいと考えています。なお、当センターには、臨床特命教授1名が常駐する予定です。


また、このサテライトセンターを利用して、将来的には、薬剤師を対象とする、がん医療に関する大学院のインテンシブコースの開催も行いたいと考えています。これらの活動を通じて、大学と臨床現場の薬剤師が連携を深め、薬剤師職能の拡大と高度化に繋がるとともに、大学での薬学教育・研究が、より一層患者さんを意識した展開となることを期待しています。


図2. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンター設計図(実際の構造は図面と多少、異なってくる可能性があります)

図2. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンター設計図
(実際の構造は図面と多少、異なってくる可能性があります)


図3. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンターを介した薬薬学連携の推進

図3. 神戸薬科大学地域連携サテライトセンターを介した薬薬学連携の推進



地域連携サテライトセンターに関するプレスリリースについては、こちらをご覧ください。

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