Investigation Interests


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 薬物を効率的に利用するため様々な薬物の carrier が検討され実用化されている。機能性分子化学研究室では、新しいタイプの carrier の開発を目指して有機、無機の様々なタイプの素材の検討を行っている。これらの素材検討を通して薬物 carrier DDS carrier)としてばかりでなく、食品、医薬品、化粧品や環境素材への展開も行っている。

 リン酸塩は様々な分野に利用できる機能性物質として注目されており、DNAATPの構成物質として生体内でも重要な役割を果たしている。このリン酸塩の特性を利用した機能性化合物を合成している。無機層状リン酸塩はその層間を自由に分子設計でき、これによって様々な環境汚染物質をその特性に応じて除去できるテーラーメイドの環境汚染物質対応素材の開発が可能である。

 環状オリゴ糖のシクロデキストリンは、薬物などの様々な有機化合物を包接し安定化する特性があり、食品、化粧品などの分野などですでに繁用されている。このシクロデキストリンの高機能化を目指して、無機環状リン酸塩を用いたエステル化や重合化などを検討している。これによって従来安定化が困難であった薬物の安定化や溶解性の改善などが可能となる。


 制酸剤いわゆる胃薬として繁用されているハイドロタルサイトは、層状の粘土鉱物のひとつである。その層間に様々な分子やイオンを固定化することが可能である。この特性を利用して、様々な薬物の安定化が可能であり、DDS carrier としての可能性を検討している。また、粘土鉱物は、化粧品のバインダーとして広く利用されており、この固定化能を利用した新しい化粧品素材としての可能性も検討している。