肥満・メタボリック症候群の新しい病態解明

 肥満は日本を含む先進国に留まらず、一部の途上国においても増加の一途を辿っています。世界では約16億人が体重過多であると報告されており、その内4億人は臨床的に問題となる肥満を呈しています。過度の肥満は脂肪組織の機能異常からインスリン抵抗性、糖尿病、高血圧などを来たし、メタボリック症候群と呼ばれる病態を呈します。そして、メタボリック症候群は脳卒中、心血管疾患を発症するリスクを数倍〜10倍程度増大させます。 >>続きを読む

肺高血圧症の病態解明

 全身を巡った血液は右心房に戻った後、右心室から駆出され、肺動脈を通って肺に流れ込みます。この肺動脈の圧力(血圧)が異常に上昇するのが肺高血圧症です。原因が全く不明な特発性肺動脈性肺高血圧症や膠原病、先天性心疾患の合併する肺高血圧症などがあり、いずれも予後が悪く、難治性で難病に指定されています。エンドセリン受容体拮抗薬の登場により、治療戦略は格段に向上しましたが、その治療効果は未だに不十分なままです。それは、なぜ肺動脈の圧が異常に上昇するのか原因がハッキリわからないため、根本的な治療法が開発できないからです。 >>続きを読む

動脈硬化症の病態解明

 私たちは、血管の「糖鎖」に着目し、動脈硬化症の発症機構を明らかにする研究をおこなっています。動脈硬化症は、心筋梗塞といった心血管系疾患や、脳梗塞・脳卒中といった脳血管障害の原因になります(図1)。脳・心血管系疾患による死亡は、わが国の全死亡の約30%を占めていることから、早急な対策が必要です。しかし、現在のところ、動脈硬化症を直接治療する方法はありません。動脈硬化症を悪化させる高血圧、糖尿病や脂質異常症といった疾患自体のコントロールは、さまざまな薬によって可能となりつつありますが、依然として心血管疾患が増加している事実を踏まえると、動脈硬化症自体を標的とした新たな治療戦略の確立が急務と考えられます。 >>続きを読む

肺高血圧症の臨床研究

 私たちは実臨床に直接役立つ研究を目指して、神戸大学医学部附属病院 循環器内科と共同で肺高血圧症患者から得られる臨床データや血液・細胞などの臨床検体を用いて、肺高血圧症の新しい病態解明や新規治療法の開発に取り組んでいます。 >>続きを読む